自民クラブ・真志会会派行政調査報告 平成30年7月4日から6日まで

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ページ番号1006357  更新日 2018年11月28日

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平成30年7月4日から6日にかけて、大阪府大東市及び兵庫県姫路市を視察しました。

大東市立地適正化計画について【大阪府大東市】

取組の背景

大阪府大東市役所前での集合写真

 大東市は、西は大阪市に接していて、大阪都心までJR片町線で約15分という交通の便利な都市であり、市内中央部をJRが走り、三つのJRの駅を持つ大阪市のベッドタウンである。また、市内には、三洋電機株式会社、パナソニック株式会社、象印マホービン株式会社などの大手家電メーカーが立地し、関連する中小の部品製造企業が集積し、産業構造は、第2次産業(製造業等)の割合が31.2パーセントと高い。このように、人口、面積、立地、産業構造など、大府市と類似する点が多い。

 大東市の総人口は、高度経済成長期から平成10年の人口131,096人までは、一貫して右肩上がりで増加してきたが、この年を境に減少し始め、平成28年度までに毎年平均479人減少し、平成28年の人口は、122,461人となっている。さらに、国立社会保障・人口問題研究所による将来人口推計によれば、平成42年には、人口は115,700人となり、毎年482人減少し続けると推計されている。

 大東市は、この人口減少の理由を次のとおり分析している。

 まずは、人口の自然動態と社会動態についてであるが、自然動態は、平成24年以降、死亡が出生を上回る自然減に転じている。また、社会動態についても、平成11年以降、おおむね転出が転入を上回る社会減が続いている。さらに、その社会減の中身を分析すると、平成28年の年齢別転出超過数によれば、20代から30代の子育て世代の転出が、他の年代に比べて顕著であることがわかった。

 このことから、大東市の人口減少は子育て世代の転出が主な要因であると結論付けている。そして、その転出先は主に大阪市であるとの説明であった。

大東市の持続可能な市政運営のための三つの課題抽出

子育て世代の転出超過による人口減少という課題

 人口減少に歯止めをかけ、人口増へと転じるためには、人口減少の主な要因である子育て世代の転出を食い止めるとともに、新たに呼び込むことが必要である。特に、JR四条畷駅周辺エリアにおいては、人口減少が顕著になっており、子育て世代に選ばれるまちづくりを進めることが必要である。

まちなみの魅力の低下という課題

 大東市では、駅周辺に様々な都市機能が集積している。しかしながら、その分布図を見ると、都市機能の立地に偏りが見られる。今後、大東市が効率的で利便性の高い都市へと発展するためには、「住居の身近にあることで生活の利便性が向上する都市機能」と「駅周辺の都市の拠点となる地域に集約することで効率的なサービスが提供できる都市機能等」を適正な場所に計画的に誘導していく必要がある。

市の経済の中核をなす第2次産業の低迷という課題

 市北西部エリアは、従前より工業系の用途地域が指定されており、工場等の立地が図られてきた。しかし、近年においては第2次産業の低迷等から、一部地域において住宅開発が進み、住宅と工場が混在することによるあつれき等の問題が発生している。しかし、今後も工業地域内において住宅開発が進むことが想定される。

 以上を踏まえ、市北西部エリアにおいては、住宅と工場の調和が図られるよう、当該エリアのまちづくりの方向性を示すとともに、産業振興施策等をあわせて実施することが必要である。

子育てしやすい「職・住・楽」超近接のまちづくり

  • 立地適正化計画策定に向けては、平成26年から基礎調査を実施し、平成27年から平成29年までに庁内検討会議、住民アンケート、関係団体への説明、パブリックコメントなどを実施した。
  • 計画の位置付けとしては、総合計画、都市計画マスタープランに続くものとして、また、総合戦略と連携するものとして整合させた。
  • まちづくりの方針としては、三つの柱となる「職住楽」をキャッチコピーに掲げ、職としては働きやすさを向上させること、住としては暮らしやすさを向上させること、楽としては町の魅力を向上させることを主眼とし、職住楽それぞれのテーマを持つエリアを設定するゾーニングを行った。
  • 基本的に市街化区域を居住誘導区域として設定した。居住誘導区域とは「人口減少の中にあっても一定のエリアにおいて、人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるよう、居住を誘導する区域」である。
  • JR3駅周辺のエリアを都市機能誘導区域として設定した。都市機能誘導区域とは「居住誘導区域内において設定するものであり、医療・福祉・商業等の都市機能を都市の中心拠点に集約することにより、これらの機能の効率的な提供を図る区域」である。
  • 職住楽の各エリアを結ぶ交通ネットワークとして、循環バスを充実させて、生活利便性の向上や都市の魅力と活力を増進させて、歩いて暮らせるまちづくりを目指している。

大府市への反映

 大東市の人口密度は、平成28年度では、1平方キロメートル当たり6,744人であり、大府市の2,649人と比較すると約2.5倍もある。もともと人口密度が高いのであるから、多少人口減少しても問題はないのではないかと思ってしまうが、そうはいかない。

 大東市立地適正化計画では、「平成33年以降、収支不足になるおそれがある、また財源不足が懸念される」とさらっと述べている。それもそのはず、大東市の積立金現在高は160億円以上あり、多少の不足は十分に補える財政力を持っているからそれほど心配ではないということかもしれない。

 しかし、日本国は人口減少によって、様々な問題を引き起こしている。1年間に生まれる子どもが100万人を切った。子どもを増やそうと対策を次々に打ち出すが、人口は減る一方だ。若い世代は大都市へ集中し、地域間格差は広がるばかりだ。企業は人手不足が深刻で、長時間労働が常態化している。

 立地適正化計画とは、まさに日本が置かれている人口減少社会を立て直すための再生計画として、考えられたものであろう。しかし、人口減少は一向に止まらない。一旦、縮小過程に入ったら抜け出すのは難しいようだ。

 大府市は元々コンパクトなまちであり、立地適正化計画は不向きであるという表現をよく耳にするが、大東市の事情を知れば、本市としても検討すべき課題が累々と見えてくる。現在、本市は人口増加局面にあるが、近い将来に迫っている人口減少を見据えて、現実的な検討を進めておく必要がある。立地適正化計画に関する検討も、その一つであることは間違いない。

姫路駅周辺整備について、駅前広場の利活用について【兵庫県姫路市】

取組の背景

兵庫県姫路市役所前での集合写真

 鉄道で南北に分断された姫路駅周辺の跨線橋や踏切では、慢性的な交通渋滞が発生し、市街地発展の妨げとなっていた。そこで、駅周辺を一体化するために、姫路市は昭和48年に駅周辺の高架化基本構想を発表した。

 そして、構想から16年後の平成元年から三つの事業が始まった。すなわち、JR山陽本線等連続立体交差事業、姫路駅周辺土地区画整理事業及び関連道路事業等を同時に、一体的・総合的に実施することになった。その結果、鉄道の高架化は兵庫県が主体となり施工され、平成23年に完了した。姫路市の構想発表から35年間かかった。

 この間には、バブル崩壊など大きな経済状況の変化があったことや1市4町の合併により人口53万人の新たな播磨の中核都市が誕生したことにより、その中核市にふさわしいまちづくりの検討が進められた。

駅前空間デザインの概要

 駅前空間のデザインの基本コンセプトは、「城を望み、時を感じ人が交流するおもてなし広場」のもとに考案された。駅中央コンコースを抜けると眼前に姫路城が大手前通りの正面に輝いている。

 駅前空間のデザインのポイントは、まず、連続立体交差事業により、鉄道の軌道を南に44メートル移動させることで、北駅前広場の面積は約6,400平方メートルから約16,100平方メートルへと約2.5倍に拡張することができたこと。また、連続立体交差事業により、鉄道高架下空間にバス・タクシーの一時待機場を設けることで、駅前広場内のバス・タクシープールの規模を縮小することができ、その分、歩行者空間を拡大することが可能となったことである。

 もう一つは、トランジットモールを採用したことが挙げられる。姫路市のトランジットモールとは、駅前への一般車両の進入を終日禁止し、バス・タクシーなどの公共交通機関だけに限るもので、これまで自動車優先であった駅前の空間を、「人が主役の場」に再生することを狙いとしている。

 そのために、全国的にも前例のない中心市街地におけるトランジットモール化に向け、2年半の間、社会実験をして一般車両(自家用車)の通行を制限し、周辺交通への影響などの課題を把握した上で、関係者と協議し、市民と協働して、トランジットモールを実現した。

協働による都市空間のデザイン・官民が四つに組んで合意形成

 平成29年に市が公表した駅前広場の素案は、駅から姫路城が見えるようにするための平面図であった。しかし、その素案に対して「交通機能を最優先にして、駅から商店街や大手前通りへ往来するのに、歩行者(観光客)が車道を横断しなければならないような、とんでもない案だ」と商店街連合会やまちづくり協議会から意見があり、素案に対して複数の代替案が提示された。

 しかし、官民は、ここで対立の構図に陥ったわけではなかった。市と市民団体、有識者などが互いにがっぷりと四つに組む格好で、駅前空間づくりに向けて、互いに意見を出し合い、協議の末に合意に達していったということである。

 平成20年10月には、各団体からの意見や提案の集約と駅前広場のコンセプトなどを、円滑に決定するために、NPO法人や交通事業者・商店街連合会など権利関係者・関係行政機関で構成した「姫路駅北駅前広場整備推進会議」を立ち上げ、以降平成24年までに17回の開催を経て、基本コンセプト、基本レイアウトを決定した。

 また、推進会議と並行して開催された平成21年4月の市民フォーラムにおいて、トランジットモール化の提案を受けたことにより、推進会議においても議論が開始され、官民共同の取組が進められた。

大府市への反映

 姫路駅には、山陽本線・播但線・姫新線の在来線3線と新幹線が乗り入れ、これに加えて、貨物基地や車両基地もある県下でも最大のターミナル駅であることから、その事業規模かネックとなり、昭和48年の高架化基本構想から事業化まで相当の年月を要した。大府駅とは単純に比較できないが、国や県と歩調を合わせた駅周辺整備の手順や市民との協働による整備の進め方等には、参考になるところがある。

 今回、「トランジットモール」という言葉を初めて知ったが、大変興味ある考え方、システムである。トランジットモールの在り方には様々な形態があり、現地に合ったシステムが協議され実現した。

 ここで一旦、大府駅東駅前広場に目を向けてみると、御存じのとおり、朝夕の通勤時間帯では一般車両と公共交通や企業や大学の通勤通学バス等が混在し、混乱しているようだ。大府市の人口増加に伴って、駅前広場のスペースが不足気味なのは間違いなさそうである。

 そこで、まずは、市が大府駅東駅前広場整備構想(素案)あるいは大府駅周辺整備構想(素案)を提示・公表してはいかがであろうか。それはとりもなおさず、議論を巻き起こすためのいわば「たたき台」である。それがなくては、30年計画も何も始まらない。構想を公表すれば、姫路市と同様に、反対意見が出てきて、対案が出てくるであろうが、それを織り込んで、まずは素案を打ち出してはいかがでしょうか。

 最後に、姫路駅では、現在、南駅前広場再整備工事が行われている。直径40から50センチくらいのクスノキの大木が30本ほど伐採されていた。整備面積は12,300平方メートルである。長い年月をかけて育ったクスノキもその役目を終えたようである。

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