自民クラブ会派行政調査報告 平成30年7月11日

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ページ番号1006360  更新日 2018年10月25日

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平成30年7月11日、鷹羽琴美議員が大阪府泉大津市を視察しました。

家庭教育支援における訪問型アウトリーチ支援事業について【大阪府泉大津市】

取組の背景

 子育てやしつけに悩みや不安を抱える保護者が増加していることや、家庭教育の重要性の認識が低い保護者や生活に追われ余裕のない保護者が増加していること、また、学校(教職員)との関係が悪くなった保護者が学校ともう一度つながる必要があるということから、第三者による訪問型家庭教育支援が必要となった。

大阪府泉大津市での集合写真
鷹羽琴美議員(左から2人目)、泉大津市長(左から3人目)<br />

取組の内容

 訪問型家庭教育支援には、ユニバーサル型(全戸訪問を行う)、ターゲット型(具体的な課題を抱える家庭を対象とする)、ベルト型(対象年齢を限って全戸訪問を行う)、エリア型(地域ごとの特徴に応じた訪問支援のメニューを設定する)があるが、泉大津市では不登校、非行、ネグレクト、育児不安等の課題を抱えた家庭を対象としたターゲット型の支援を行っている。

 泉大津市訪問型家庭教育支援チームのメンバーは、リーダー1名と家庭教育支援サポーター8名の構成となっている。全員が子育て世代又は子育て経験者で、保護者にとって第三者となる地域人材であり、必要に応じて保護者や子どもに会える時間を優先した訪問ができる。また、メンバーには、個人情報保護の観点から守秘義務が課されている。

 従来からの取組である家庭訪問型(課題解決タイプ)に加え、平成29年度から学校配置型(早期支援タイプ)を組み合わせた取組をしており、情報交換の場として、月1回サポーター会議、親の会が開催されている。また、サポーターの報酬は、1回につき3,000円が支払われる。

成果

 小学校配置型によって、学校での様子が把握できるだけでなく、校内ケース会議への参加など、サポーターの活動の幅が広がった。

 多くの児童生徒についてのアセスメントや教員との情報共有ができることで、課題のある家庭の早期発見につながっただけでなく、小学校における組織対応の意識が広まった。

課題

 不登校以外のケースでも、積極的に家庭訪問型支援を依頼する視点が必要であり、研修での周知を図っていく必要がある。

 ケース会議の重要性を踏まえ、家庭教育支援サポーターと学校の役割分担を明確化すべきである。

訪問型家庭教育支援に向けた5か条

  1. お土産(子どもの成長話や保護者の自尊感情を高める話題等)を持って訪問しよう
  2. 目的は「保護者のエンパワメント(人が本来持っている潜在能力を引き出し、湧き出させること)」
  3. 信頼関係で「人と人をつなぐ」
  4. 「助けすぎ」に注意
  5. いつの間にかいなくなろう

所感と大府市への反映

 泉大津市では、全ての家庭教育支援サポーターが日本プロカウンセリング協会1級の資格を持っており、月1回開催されるサポーター会議で情報共有することで、カウンセリングのスキルを磨いている。

 担当している保護者から頼られることが、サポーターとしてのやりがいに通じる面があり、つい助け過ぎてしまうこともあるが、それがかえって悪影響を及ぼしてしまうケースもあるため、あまり手を貸さずに見守る方が良い結果が出ることがある。実際、特別に何かするわけでもなく、課題のある家庭の保護者に寄り添って話を聞いているうちに、保護者が自分で気付き、行動が変わることで、子どもにも良い変化が生まれている事例が多い。

 どこまでがサポーターの役割なのか線引きが難しいが、サポーター本人が失敗を繰り返しつつ、経験を積んで体得していくしかないとのことであった。

 訪問型家庭教育支援は、自分からは学校やスクールカウンセラーに相談できない家庭や、そもそも問題意識を持っておらず、傍から見れば困った状況で助けが必要であるのに、自分ではそのことに気付いていない家庭に対して支援することで、学校だけでなく、必要に応じてその他の機関とつなぐ役割を果たしている。また、小学校配置型にしたことで、課題のある家庭の早期発見につながり、問題が深刻化する前に対処できるようになったため、より効果的な取組となっている。

 大府市においては、幼保児小中連携教育の指針「きらきら」、特別な教育的ニーズを持つ子どもを対象とした教育支援計画「すくすく」、各小中学校へのスクールカウンセラー配置や、ふれ愛サポートセンターでのレインボーハウス(適応指導教室)等、教育に関する様々な取組が行われているが、これからは、課題を抱えつつもそこに辿り着けない家庭を見つけ出し、支援していくことも大変重要であると考える。

 サポーターとなる人材の発掘や育成、そのための費用等、課題はあると思うが、大府市でも家庭教育支援における訪問型アウトリーチ支援事業に取り組むことを提言したい。

「足育」事業への取組について 「あしゆびプロジェクト」【大阪府泉大津市】

事業の目的

 近年、急速に進んだ靴等の履物文化の影響や、洋式トイレの普及に伴う和式トイレの減少によって、現代人の多くの人が外反母趾、爪の変形、浮指状態、アーチがない等、足部に何らかの問題(異常)を抱えている。

 特に、子どもたちの8割近くが浮指状態、土踏まずがない等、足に何らかの異常を抱えており、姿勢が崩れて集中力が持たない、運動機能の未発達、怪我をしやすい等、様々な問題が起きている。

 また、高齢者において、要介護の原因の一つである「転倒」の本質的な要因は、足指(特に指先部分)が浮指状態にあることや、脚部から臀部にかけての必要な筋力の低下、メカノレセプターが働いていないこと等である。

 メカノレセプターとは、関節などにある感覚受容器で、足裏の中でも親指に豊富にある。今、体重がどこにかかっているかなどの情報を脳に送るセンサーのような役割を果たしている。メカノレセプターが低下しているのは高齢者、子どもであり、高齢者はそれが原因で転倒する。バランスが取れない状態なので、転倒するリスクが高い。

 泉大津市では、このままでは、健康で長く楽しく生きていくことに大きな悪影響を及ぼしかねないと考え、「あしゆびプロジェクト」を立ち上げた。

「あしゆびプロジェクト」とは

 幼児期から足指を鍛えることで体のバランスを保ち、正しい姿勢を身に付ける。正しい姿勢により集中力が持続し、学力・運動能力の向上につながる。生涯寝たきりにならずに健康 な身体を維持するための土台を子どものうちにつくる。

 このように、健康寿命の延伸を足指の健康から展開する研究プロジェクトを官民連携のもとで進め、高齢者の転倒防止などを含めた市民運動としても盛り上げ、市民の健康づくりと幼児教育のモデルを泉大津市から全国へと発信していく取組である。

取組の内容

鼻緒のついた草履

 足指を鍛える取組の一つとして、市職員が鼻緒のついた草履や雪駄等を着用し、市内外に広くPRを行っている。NHKや新聞各紙で大きく取り上げられ、注目を浴びている。

 市職員が毎週月・水・金曜日の始業前、「おづみん体操の歌」に合わせて、市職員考案の「おづみんあしゆび体操」を行っている。

 去る6月30日(土曜日)、あしゆびフェスタを開催した。泉大津市とあしゆびプロジェクト協賛機関(スポーツ関連業者、医療機関、学識者等)による「あしゆびプロジェクトパートナーシップ宣言」を始め、講演会やパネルディスカッション、体験ブース等、各種イベントが開催された。

ファンクショナルマット

 高齢者への取組として、フットチューニング(セルフケア)を推進している。あしゆび体操、ファンクショナルマットを活用した運動、体幹プログラムの展開もされている。

 ファンクショナルマットは、適度に柔らかく、弾力性があり、不安定に揺れるもので、「砂浜の上」を歩いているような感覚で、不安定なため、マットの上に立つだけでも「体幹」を鍛えられる。

 幼稚園・保育所・こども園での取組として、あしゆび体操、あしゆびじゃんけん、おづみん体幹体操、ファンクショナルマットを活用した運動を展開している。平成30年度、市内の認定こども園から1カ所をモデル園に指定し、4歳児と5歳児に足袋型の靴を履かせて、足指運動の開始前と半年後の運動能力を測って基礎データを収集し、身体能力を高める効果を検証する。

今後の課題

 現在の取組は高齢者と幼児が対象となっているため、担当部署は健康福祉部の1カ所だけであるが、今後、小中学校に展開する際には教育委員会とまたがるため、少なからず縦割りの壁が生じるのではないかという懸念がある。

所感と大府市への反映

 あしゆびプロジェクトは、南出賢一泉大津市長が自らの人脈を生かし、率先して取り組んでいる官民学が連携したプロジェクトであり、話題性も高く、シティプロモーションとしても成立している取組だと感じた。

 市職員が鼻緒のついた履物でプロジェクトをPRすることについて、正直なところ、市職員の反応はどうだったか尋ねたところ、担当部署とそれ以外では若干の温度差があるものの、市長に言われて強制的にやらされている感じは全くなく、実際に足が楽になるし、5本指ソックスや草履選び等、楽しんで取り組んでいる様子が伺え、好感が持てた。

 また、「足育」というと、靴やインソールの選び方に関する話になることが多く、どういった物が良いのか議論が分かれたり、むしろ裸足の方が良いという意見もあったりして、難しい面もあるが、泉大津市では足指そのものを鍛えて健康増進を図るということに着目した点も素晴らしいと思った。

 さらに、泉大津市は国産毛布の産地としても有名で、生産量が全国シェアの90パーセント以上を占めており、毛布の縁の部分を利用して布草履を作る講座を開く等、地元の産業とあしゆびプロジェクトを関連づけた取組も展開しており、市長のリーダーシップと戦略的な仕掛けを展開していく手腕、さらには、理化学研究所と共同開発している右脳教育による速読力向上等、科学的にまだ証明されていないものの、実際には効果が出ている事象に対して積極的に取り組み、検証することでエビデンスを示そうとする前のめりな姿勢には、大いに目を見張るものがあった。

 大府市においても、健康都市を標榜しているからには、「足育」についてもっと調査研究を進め、その大切さを認識して、幼児期から取り組むことによって、長く健康でいられる体づくりができるよう、取り組んでいくことが望ましいと考える。

このページに関するお問い合わせ

議会事務局 議事課
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ファクス:0562-47-5030
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