自民クラブ会派行政調査報告 平成30年11月19日から21日まで

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ページ番号1008668  更新日 2018年12月4日

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平成30年11月19日から21日にかけて、福岡県久留米市、熊本県菊池市及び大分県別府市を視察しました。

セーフコミュニティについて【福岡県久留米市】

セーフコミュニティの概要

福岡県久留米市での集合写真

 久留米市では、市民と協働して、安全安心のまちづくりであるセーフコミュニティ活動に取り組んでいる。セーフコミュニティとは、WHO(世界保健機関)セーフコミュニティ協働センターが推進する、「けがや事故などは偶然の結果ではなく、予防することができる」という理念に基づいて、予防に重点を置き、地域社会全体で進める安全安心なまちづくりへの取組やそれを行う地域のことである。

 特徴として、様々な統計データやアンケートなどを活用して、現状把握、課題分析を行い、予防策を講じ、その効果を検証し、取組の更なる改善を図っていく。久留米市では、これまでも多くの組織や団体が、安全安心の向上のための取組を行っており、今後はこれらの取組を生かしながら、他団体などとの連携の強化、活動の質を高めることで、より効果的な取組を進めていく。

セーフコミュニティの推進体制の整備

 市長を会長とし、市内57団体・63名からなる「セーフコミュニティ推進協議会」が、セーフコミュニティに関する方針の決定、連絡調整、普及啓発活動などを行っている。その下に、8つの対策委員会が設けられている。そのほかに、病院の医師、保健所、消防関係など、けが、事故に関する専門家で構成された「外傷等動向調査委員会」も設置され、データの収集及び分析、取組の効果や影響等を測定、評価している。

取組の内容

  1. 交通安全対策委員会では、「高齢者の交通事故防止」「自転車事故の防止」を重点取組項目に設定し、課題解決に向けた対策に取り組んでいる。
  • 身体能力の自覚を念頭に置いた「実技型高齢者交通安全講習」
  • 小学生、中学生、高校生の年齢に応じた「交通安全教室」
  • 「自転車安全利用キャンペーン」
  1. 児童虐待防止対策委員会では、「児童虐待の防止」を重点取組項目に設定し、課題解決に向けた対策に取り組んでいる。
  • 命の大切さや思いやりの心を育む「赤ちゃんふれあい体験」
  • 児童虐待防止のシンボルである「オレンジリボン」の作成・配布
  1. 学校安全対策委員会では、「学校の安全」を重点取組項目に設定し、課題解決に向けた対策に取り組んでいる。
  • 地域のボランティアやPTAによる登下校時の危険箇所・時間帯に応じた見守り活動
  1. 高齢者の安全対策委員会では、「転倒予防」「高齢者虐待の防止」を重点取組項目に設定し、課題解決に向けた対策に取り組んでいる。
  • 自宅内の危険箇所や転ばない体づくりの体操法を紹介した転倒予防啓発パンフレット
  • 体力の低下や介護予防を目的とした「にこにこステップ運動」
  1. 防犯対策委員会では、「犯罪の防止」「防犯力の向上」を重点取組項目に設定し、課題解決に向けた対策に取り組んでいる。
  • 街頭防犯カメラや防犯灯など安全・安心感を高めるための地域環境の整備
  • 地域や関係機関と連携して重点区域のパトロールを行う「合同防犯パトロール」
  1. DV防止対策委員会では、「DV防止・早期発見」を重点取組項目に設定し、課題解決に向けた対策に取り組んでいる。(DVとは、ドメスティック・バイオレンスの略であり、配偶者や恋人など親密な関係にある異性から受ける身体的、精神的、性的、経済的暴力等のことです。)
  • DV防止に関するパネル展示やポスター等による広報・啓発活動
  • 教育現場で行われる「デートDV防止啓発講座」
  1. 自殺予防対策委員会では、「自殺・うつ病の予防」を重点取組項目に設定し、課題解決に向けた対策に取り組んでいる。
  • うつのサインに気づき、適切な対応を図る「ゲートキーパー研修」
  • かかりつけ医と精神科医の連携強化により、うつ病の早期発見・早期治療につなげるための「かかりつけ医うつ病アプローチ研修」
  1. 防災対策委員会では、「地域防災力の向上」を重点取組項目に設定し、課題解決に向けた対策に取り組んでいる。
  • 地域住民や民間企業、関係機関などで行う「合同防災訓練」
  • 組織的な活動を継続的に行うため、防災技術の高い防災リーダーを育成

数値的効果

自転車事故件数
平成23年522件に対し、平成29年368件と、29.5パーセント減少
上津小学校でのけがの発生件数
平成23年95件に対し、平成29年59件と、37.9パーセント減少
認知症サポーター養成講座受講者
平成23年2,503人に対し、平成29年24,476人と、8.3倍に増加
刑法犯の認知件数
平成23年4,590件に対し、平成29年2,297件と、49.9パーセント減少
自殺者数
平成23年77人に対し、平成29年52人に減少
自主防災訓練の回数・参加者数
平成23年49回2,696人参加に対し、平成29年106回6,473人と、2.4倍に増加(参加者数)

数値以外の効果

  • 新たな協働による「顔の見える関係」づくり
  • 自殺予防の「久留米方式」を始め、医療機関、警察、関係団体などの連携、協力による取組の拡大
  • 毎月21日のセーフコミュニティ活動の広がり
  • 国際認証日にちなんだ登下校の見守り、 SC通信の配信、防災情報伝達訓練の実施
  • 企業や団体からの支援や取組への賛同
  • 企業や市民からの寄付、関係団体が発行する情報誌への掲載

大府市への反映

 地域のことは、そこで暮らす人が一番よく把握している。「みんなが事故にも遭わず、犯罪にも巻き込まれずに、安心して暮らしていくにはどうすればいいのか」を、地域住民が考え、力を合わせてその原因を取り除いていくことで、人と人とがお互いに信頼しあえる地域コミュニティができる。

 このことは、地域包括ケアそのものであると考えるので、大府市においても、これまでに経験のない超高齢社会の時代を迎えるに当たり、地域包括ケアが成り立つために必要な仕組みを調査研究し施策に結び付けていくことが必要であると考える。

コミュニティバスについて【熊本県菊池市】

取組の背景及び内容

熊本県菊池市での集合写真

 市街地での公共交通はタクシーのみで、住民の生活交通や来訪者の2次交通には不便だったことと、郊外向けの路線バスの利用者が少なく、スクールバスと重複する等、路線設定が非効率的だったことから、交通体系の見直しが必要であった。

 従来、市街地での移動はタクシーを利用し、郊外と市街地を直線的な補助金運行路線バスで結んでいたが、発想の転換で、市街地では巡回バス「きくちべんりカー」を運行し、郊外と市街地の移動は「あいのりタクシー」を利用することとした。住民への交通サービス水準は大幅に向上し、路線バスに関わる行政負担を年間約2,600万円から約800万円へ大幅に削減することに成功した。この取組が認められ、平成22年地域公共交通活性化・再生優良団体大臣表彰を受賞した。

市街地循環バス「きくちべんりカー」

運賃
1乗車100円(子ども・身体障がい者50円)
総延長
21.10キロメートル(平成24年10月、路線変更)
停留所数
49カ所
1周の時間
85分
停留所時刻
1時間30分間隔
運休日
日曜・祝日・振替休日および年末年始(12月31日から1月2日まで)
運行事業者
熊本電気鉄道株式会社
運行形態
道路運送法第4条の乗合
運行車輌
小型バス(乗車定員29名以下)

郊外向けデマンドタクシー「きくちあいのりタクシー」

水源地域線
平成18年10月から運行開始
龍門地域線
平成18年10月から運行開始
泗水西部地域線
平成20年4月から運行開始
泗水東部地域線
平成21年10月から運行開始
旭志東部地域線
平成23年4月から運行開始
七城地域線
平成28年4月から運行開始

デマンドきくちあいのりタクシーの特徴

  • 自宅から目的地の玄関まで、「ドア・トゥー・ドア」の対応
  • 1日の運行は、最大3往復
  • 予約がなければ運行しない
  • 予約に応じて、車輌を小型とジャンボで使い分け
  • 初期投資及び維持費用不要(市内タクシー業者内に予約用の事務局設置)
  • 市の財政負担が、3分の1以下に減少
  • 国・県の補助事業、コンサルタントなし
  • 借上げ方式でなく、メーター運賃方式(利用料は距離に応じて200円から1,200円)
  • 毎日、1日中運行でなく、週5日、時間帯設定運行

大府市への反映

 地方都市においては、コミュニティバス事業の赤字は避けがたいものがあるが、菊池市は、市域の資源を大胆な発想で活用し、市民生活の向上を図っている。

 今後当市も、高齢化が更に進み、それに合わせて運転免許証の自主返納も進むと思われる。そのような状況で、単純に巡回バスの運行距離や便数を増やすだけでは、おのずと限界が予想され、超高齢社会の影響は、ますます増えるものと容易に想定される。

 菊池市におけるバス、タクシーの連携に限らず、他市との連携を含め、交通手段の全てを考慮して市民の足を確保し、もって市民の生活を支援する必要が、近い将来必ずやってくるものと考える。大府市の高齢化率は、全体を見れば、他市町よりは低いと言えるかもしれないが、地域によって高低差はある。早めに周到な準備を行う必要がある。

別府市空家等対策計画について【大分県別府市】

取組の背景

大分県別府市での集合写真

 別府市は、全国平均よりも高齢化率が高く、近年では空家等が増加傾向にあり、平成25年には、空家率が17パーセントを超える状況にあった。全国平均の13.5パーセントと比較して高い割合を示しているとして、平成27年に、この問題の解決を公約として掲げて当選した長野別府市長の強いリーダーシップにより、平成28年、空家等対策協議会が設置され、1年後の平成29年には、空家等対策計画が策定された。

取組の内容

  • 空家等対策協議会は、市長を会長としながら、学識経験者、地域団体代表者、市議会議員、行政書士、土地家屋調査士、宅地建物取引士、建築士、社会福祉士などの委員で構成され、計画策定の1年間に審議会が4回開催された。
  • 計画の目的は、空家等の現状把握、問題点の正確な把握、空家等の発生を未然に防ぐ、所有者に適切な管理を指導、空家対策事業のスムースな執行とされた。
  • 現状把握のために行われた1,000件の空家の調査結果から、その管理状態が良いほうから順にA、B、C、D判定として物件を類別することで、扱い方の判断と管理方法を単純化できた。
  • 空家の課題について、予防に関する課題、活用に関する課題、除却に関する課題の3つに区分して、解決に向けた個別の事業を実施した。
  • 予防に関する課題については、相談会、広報活動の強化、関係団体との協定締結などにより、所有者に対して啓発や管理指導を行った。
  • 活用に関する課題については、空家バンク事業、おためし移住施設整備事業、企業向け店舗施設整備事業によって、優良物件の活用を促進した。
  • 除却に関する課題については、補助事業として除却補助(1件50万円)を制度化する一方で、緊急措置が必要と判断される特定空家については略式代執行を実施した。
  • 今後の取組として、別府市産業連携・協働プラットフォーム「B-biz Link」との連携により、空家を利活用した新事業を創出することを準備している。

大府市への反映

 現状、本市の空家率は10パーセント程度であり、別府市と比較して良好な状態のように見受けられるが、各世帯の住居人構成や人数などを考慮すれば、空家問題が深刻さを増すのは避けられないものと見て取ることができる。本市も、10年後には別府市の抱える課題に直面する可能性が高いと考えるほうが相当である。ゆえに、今回の視察で学んだことを市の基本的な政策にしっかり取り入れ、現段階から空家対策を万全にしておく必要がある。具体的には、空家を発生させないように未然に防止するという別府市の考え方を基本政策の根本に据えるべきであろう。また、空家に準ずる良好な物件については、民間と連携して有効に利活用できるように制度を構築する必要がある。市民や事業者が気軽に情報を得ることができるような空家バンクの設置が急務と言えよう。関係機関と連携して、空家対策に関する制度構築に向けた議論を活発化させるように提言する。

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