自民クラブ会派行政調査報告 令和元年7月31日から8月2日まで

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ページ番号1011408  更新日 2019年8月29日

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令和元年7月31日から8月2日にかけて、愛媛県今治市、新居浜市及び岡山県玉野市を視察しました。新居浜市では、無所属クラブと合同視察を行いました。

今治タオルプロジェクトについて【愛媛県今治市】

取組の背景

愛媛県今治市

 平成3年以前の今治タオルの年間生産数量は約5万トンに達していた。しかし、バブル崩壊とともに、繊維工業は中国などの海外生産にシフトし始めたために、今治での生産量は急激に減少し、平成18年には約1万トンまで落ち込んだ。今治タオルの製造、染色、縫製等の各工程を担当するメーカーは、かつては合計500社に及んでいたが、現在では104社が残っているだけである。また、今治市の繊維工業部門の製造品出荷額合計は約478億円であり、市全体の約5.6パーセントにしか過ぎない。
 120年以上の歴史と伝統があり、技術が集積する今治タオルであったが、経済のグローバル化に伴って、繊維工業は、急激に台頭してきた中国を始めとする海外生産に押されて、厳しい状況に追い込まれていった。

取組内容

 こうした厳しい状況にあった今治タオル工業組合は、これまでの「発注先からの受け身的生産(問屋依存型)」から、「自立提案型の生産(開発基地)」へと変革するために、クリエイティブディレクターを迎え、プロジェクト全体の監修をお願いするとともに、今治タオルの「ブランディング」と「高品質化」に取り組むことになった。主な取組として以下の6点を挙げる。

  1. 今治タオルのブランドイメージのシンボルとなるブランドマークとロゴの作成
  2. 高品質を担保するための独自の品質基準の作成
  3. 新商品の開発
  4. ジャパンクオリティとしての“imabari towel”の世界へのアピール
  5. メディアプロモーション
  6. 海外展示会の開催等々

 平成18年から平成22年にかけて、本物志向層をターゲットに、支持される産地のイメージの定着と品質基準の確立に向けて取り組んだ。

今治タオルプロジェクトと市の役割

 今治タオルプロジェクトは、今治タオル工業組合と今治商工会議所とを主体とする取組であり、今治市の役割は、あくまで後方支援である。後方支援としては、補助金に代表される資金面での支援に加え、国の制度や施策などの情報収集、その情報をわかりやすく業界に提供するといった支援を行ってきた。これからも、市として、活用できそうな国の制度や施策について、絶えずアンテナを高くして情報収集を行っていく。市としては、今治タオルプロジェクトとは、「地場産業であるタオルを復興させたい」という事業者の方々の「想いと努力」が結実したものであると考えている。

大府市への反映

 1990年代に始まる中国や東南アジアへの経済のグローバル化の進展により、今治タオル工業組合は、これまでの「発注先からの受け身的生産(問屋依存型)」から、「自立提案型の生産(開発基地)」へと方針転換した。また、一方、国内においては、高齢化と少子化の同時進行で、この先、人口が減り消費が減少することが避けられなくなってきており、これまでのように「いいものを安く作れば売れる」時代は過去のものになりつつある。
 これからは、自立提案型の生産、すなわち高品質で、デザインがよく、高付加価値かつ高価格(リーズナブルな価格)の商品を開発し、海外輸出しなければ儲からない時代になってきている。そのためのブランディングであり、高品質化である。
 今治タオルプロジェクトは、1990年代から現在に至る経済の流れと繊維業界の取組の流れが理解しやすい好事例であると考える。
 大府市においても農作物ではジャンボ梨やブドウなどがある。また工業製品でも自動車メーカーなどもあり、工業製品出荷額は1兆円を超え全国50位であり、うまく宣伝し、ブランド化して、さらに販売、後継者育成につなげていく必要がある。
 そのためには、

  • 厳格な品質基準をクリアした製品にのみブランドマークの付与
  • 早い段階での成功事例の創出
  • 企業同士の有機的な連携
  • 強いリーダーシップを持つ牽引者の存在
  • 国の「JAPANブランド育成支援事業」の有効活用
  • メディアの有効活用
  • クリエイターとの出会い

など、今治市が取り入れた上記キーポイントを有効に利用すべきである。
 行政としても、民間の取組なので国県の補助金や制度などに対してアンテナを張り、有効的な援護射撃ができるような体制づくりをし、商工会議所や農協などとタイアップして、商機を逃さない体制を構築していくべきである。

アセットマネジメント推進基本方針について【愛媛県新居浜市】

取組の背景、目的

愛媛県新居浜市

 平成23年の時点で市の保有する既存の公共施設を、耐用年数まで使用し、全ての施設を同規模で更新すると仮定した場合、10年後には、昭和40年代に整備した施設が更新時期を迎え、20年後には昭和50年代に集中的に整備された大量の施設が、一斉に更新時期を迎えることが予想された。平成30年度以降、公共施設の将来更新費用は急増し、そのピークは令和12年度(2030年)で、単年度約140億円の更新費用が必要となると予想され、その費用の削減及びその後の年度の平準化を図ることを目的とし導入された。
(参考 平成23年4月1日現在 一般施設403棟 市営住宅503棟 教育文化施設361棟)

取組の内容

 施設保全情報システム(BIMMS)を導入し、平成23年に施設台帳の整備、平成24年に施設保全計画の策定、平成25年から計画的な維持管理を行っている。事後保全から予防保全へシフトすることで、施設の長寿命化とライフサイクルコスト縮減を目指す。また、建築物の目標使用年数については、税制上の償却年数を50年から65年とする。既存施設の有効活用や統廃合によ り、財政負担軽減、効果的な市民サービスの提供、新規施設整備の抑制を目指す。令和13年度に20億円を目標に、公共施設整備基金の計画的な積立てを行っている。

現状と課題

 公共施設等の計画対象施設は、196施設、379棟、延床面積45万4,260平方メートル。このうち、73.6パーセントに当たる33万4,562平方メートルが建設後30年以上経過しており、老朽化対策が深刻な問題となっている。人口は減少傾向だが世帯数は増加傾向。今後も人口は減少する見込みで、「新居浜市人口ビジョン」では、令和42年の目標人口を90,000人としている。公共施設の将来費用を試算した結果、40年間の総費用は約1,911億1,000万円(年間平均約47億7,800万円)。市民利用施設については、施設分類別に建物性能(安全性)や利用状況、コスト面で課題のある施設を把握し、優先的に取組を検討すべき施設を抽出した。

今後の取組

 新居浜市のアセットマネジメントを推進する目的は、単に費用の削減・平準化だけでなく、今後の人口減少問題の迫りくる危機にいかに対応していくのかの試みの一つである。
*国立社会保障・人口問題研究所の予測
2010年 121,735人 2040年 94,403人   2060年 74,997人
*新居浜市の目標
2010年 121,735人 2040年 101,633人 2060年 90,000人
 2060年に人口90,000人を目標にしている。人口減少問題の解決のため、社会増減の改善策(転入者数の増加)として、「定住人口奨励金」等の事業を展開している。

大府市への反映

 平成23年7月策定の「大府市公共建築物再整備計画」をもとに、道路やインフラ施設の現状及び適正管理に関する考え方も網羅した計画として、平成29年2月に「大府市公共施設等総合管理計画」が再編されており、アセットマネジメント推進の取組に着手している。新居浜市は、近い将来の人口減少に対応して、近隣市町からの社会増を念頭に置き、居住地として選ばれるための様々な施策を展開している。アセットマネジメント推進は、その施策の一つである。大府市においても、今後、確実にやってくる高齢化と人口減少問題に備えて、確実に計画が推進されることを期待する。

玉野市立図書館及び中央公民館基本構想・整備運営方針について【岡山県玉野市】

取組の背景、目的について

岡山県玉野市

 玉野市では、急激な人口減少(対ピーク時比は約78パーセント)と高齢化の進行(30パーセント超)により、都市機能の集約化や高機能化といった施策の展開を求められている。その一環としてそれまで使用してきた総合文化センターの老朽化を機に、図書館及び中央公民館を商業施設へ移転・整備を行うこととなった。
 玉野市は、昨今重要視されてきた生涯学習・社会教育の推進といった教育行政の動向を背景に、第2次生涯学習基本計画(平成27年度策定)の過程において、社会教育施設としての図書館、公民館の在り方を再検討した。他方、中心市街地活性化基本計画(平成24年3月)が策定され、その基本方針に基づき、中心市街地(宇野・築港地区)の新たなにぎわい創出核の一つとして図書館、中央公民館の移転先を市役所に隣接している商業施設内に併設すると決定した。移転リニューアル開館は平成29年である。

現在の取組の内容について

 この施設は、まちの中心地、玉野市役所から道路一つ挟んだ場所にあるショッピングセンターの2階部分を利用した全国でも珍しい形態の図書館・公民館である。施設内は図書館、公民館を分離することなく、書架や閲覧スペースと混在する形で研修室、和室などの公民館機能が配置されていることも特徴の一つ。蔵書の総重量制限がある(建物の構造上の要因による)ことを逆手にとり、通路や閲覧スペースを広く確保し、かつ飲食可能なフリースペースの設置など、ゆったりとしたくつろぎ空間を演出している。「つどう・まなぶ・むすぶ」がコンセプトであり、図書館を「市民の生涯学習の場」と位置付け、来場者へのサービス向上に向けた様々な取組がなされている。
 また、アウトリーチ活動として海や山といった自然公園への移動図書館の派遣、県内の公立図書館との連携(相互貸出し)、産後健診のお母さんを対象とした赤ちゃんパック企画を展開するなど、貸出数の増加を図っている。

現在の課題等について

 中高生向けの貸出数の伸び悩みがある。「ティーンズコーナー」の設置、映画・ドラマの原作リストを作成するなどの図書普及活動を実施中である。また、市民が求めている情報を探す手助けを行うレファレンス機能の活用が十分ではないので、レファレンスコーナーの近くで市民ニーズの高い分野(郷土の歴史など)の特設コーナーを設置するなどにより、レファレンス機能をアピールしている。そのほか、不明図書(貸出図書の紛失など)が多く、対策に苦慮している。
 市立図書館と学校図書室との連携がなされていないので、年1回程度、合同研修、意見交換会を実施している。運営が指定管理であるため、職員司書の育成が課題となっている。

今後の取組について

 今後の生涯学習・社会教育行政は、図書館・中央公民館の密接な連携を核として、学びから課題解決活動が生まれる支援を中心に、行政を始め地域の多様な団体等と連携した取組により、「生涯学習社会の強化」を目指す。また、これを基盤として「社会が人を育み、人が社会をつくる」好循環システムに支えられた協働のまちづくりを目指す。

大府市への反映

 中心市街地での図書館・公民館の展開は、にぎわい創出効果と同時に、行政の社会教育に対する取組の象徴でもある。商業施設内での併設ということに加えて、図書館と公民館スペースの融合(つまり多少の騒がしさは想定内)という発想の奇抜さに、新たな社会教育施設の在り方のヒントを見ることができた。
 また、玉野市教育委員会には教育総務課、学校教育課、社会教育課に加えて、就学前教育課という特徴的な組織が存在する。就学前の子どもたちを所轄するのは一般的には福祉担当部署であるのに対し、同市では教育委員会がその役割を果たしている。世代別教育を就学前教育、学校教育、社会教育とし、まさに一生を通した教育、つまり「生涯学習」を教育委員会が俯瞰していることは、大府市の教育組織とは対照的に映った。
 おおぶ文化交流の杜allobuについては、大府市の文化の交流の拠点として、平成26年7月にオープンして以来、着実に地域に根差し、貸出図書の冊子数が日本一に輝くなど順調に運営がなされているおり、更なる充実した発展に向けて、様々な取組を期待する。

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