コラム119 5月号(令和元年)
5月号の「コラム119」では、これから始まる水遊びの備えについて紹介します。
はじめに
気温が徐々に上がり、水辺に行く季節が近づいてきました。
海水浴、川遊び、プールなど楽しいイベントがありますが、注意を怠ると不慮の事故が起こりかねません。
そこで、今回のコラム119では水遊び中に事故が起きてしまった時の対処方法について紹介していきたいと思います。
水難事故の発生状況
水難事故は全国で毎年約1500件発生しています。
その中で約50%で死者、不明者が発生するという致死率が高いことが特徴です。
溺れてしまったとき、慌ててもがいてしまったり、無理に泳ごうとしてしまうということが致死率を高めてしまっている原因であると言われています。
溺れてしまった人はどうするべきか?
「浮いて待つ」これが最も大切なことです。
真水に対して人は体の2%程度が浮くと言われています。
そのため、2%を鼻と口に集中させることが「浮いて待つ」ためには大切です。
助けを求めようとすると立った状態になり、頭の一部だけが水面に出るため、持続的な呼吸ができず、より溺れやすくなってしまいます。
また、着衣の状態であれば泳ぎの得意な人でも普段通りの泳ぎをすることができません。
「浮いて待つ」のポイントは、
慌てず大きく息を吸い、仰向けになる。
手足を大きく広げ、大の字の体勢を作る。
服や靴は自身の体温を守り、浮力になるため、無理に脱がない。
以上の三点を意識すれば持続的な呼吸が可能になり、浮くことができます。
海や川で溺れてしまった時、消防の救助隊が駆けつけるのには多少の時間がかかってしまいます。
より長い時間耐えるためにも、浮いて待つということを忘れず、一度実践してみることをお勧めします。
溺れている人を発見した場合はどうするべきか?
無理に泳いで助けに行かないようにしましょう。
溺れている人は、慌てた状態になっているため、力いっぱい抱きつかれたり、暴れたりしてしまうため、二重事故を及ぼしかねません。
助ける側にも多くの訓練時間が必要なほど危険な行為です。
溺れている人を見かけたら、まずは119番通報を行い、「浮いて待て」と伝えるようにしましょう。
また、浮いて待つための浮き輪代わりになるものを溺れている人の近くに投げてあげましょう。
この二点を素早く行うことが救命へと繋がります。
浮き輪の変わりになるもの
ペットボトル、リュック、ボール、クーラーボックスなど
終わりに
事故を起こさないことが何よりも大切なことです。
お酒を飲んでの無理な遊泳や天候の変化を気にするなど、最善な注意を払いましょう。
もし事故が起きてしまった時は、今回紹介したことを実践してみてください。
また、溺水により生命に危険のある状態の人を発見することがあるかもしれません。
そういった時には、直ちに心肺蘇生法を行ってください。
発見者の勇気が救命へと大きく繋がります。
大府市消防本部では普通救命講習を行っていますので、興味のある方は一度講習を受けてみてください。
夏をより満喫するためにも、十分な注意を払い、日頃から準備を怠らないようにしていきましょう。
このページに関するお問い合わせ
消防本部 消防署
電話:0562-47-2136
ファクス:0562-47-2398
消防本部 消防署へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。