議会運営委員会視察 2025(令和7)年10月14日から15日まで

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ページ番号1037552  更新日 2025年12月16日

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2025(令和7)年10月14日及び15日に、三重県いなべ市議会及び大阪府和泉市議会を視察しました。

いなべ市議会の議会機能強化の取組について【三重県いなべ市議会】

取組内容

いなべ市議場での集合写真

 いなべ市議会では、2010(平成22)年から2015(平成27)年までの5年間、「議会改革委員会」において、会派運営、一般質問と代表質問、予算・決算議案の審査など16項目について協議を行った結果、議会基本条例の制定を目指すこととなり、「議会改革検討特別委員会」を設置して2年間協議を重ね、2017(平成29)年3月に「いなべ市議会基本条例」を制定した。
 議会基本条例の制定後、議会機能強化の取組を進める中で、2022(令和4)年に、公益財団法人日本生産性本部の「地方議会成熟度評価モデル」を用いた議会活動の検証評価の取組を始め、議会が取り組むべきものを「重要度」「緊急度」の観点から整理して、2023(令和5)年11月に「いなべ市議会行動計画」を策定した。
 現在、議案審議を強化する体制の充実として、議員同士による議案勉強会、委員会単位で行う議案の論点整理、積極的な討議・討論、定期的な全員懇談会の開催などの取組を行っている。
 また、市民参画の取組として、市民からリクエストがあったテーマについて、所管の委員が出向いて意見交換を行う「みんなの声カフェ」や、議案に対する市民意見の募集、年間を通して議会の傍聴や広報活動のチェック等を行う「議会モニター」といった取組を実施している。
 主権者教育の取組として、夏休みに「親子議会体験ツアー」を実施しているほか、タブレット端末の導入等のICTの推進、コミュニティFMやSNSなど様々な媒体を活用した市民への情報発信、庁舎への意見箱の設置など、市民に期待され信頼される議会に向けて、様々な取組を進めている。

大府市への反映・所感

  • 議会改革に対する意識が非常に高く、次から次へとアップデートしていることについて、見習うべき点が多いと感じた。特に、11月に市議会議員一般選挙を控えている状況の中で、来期から新たに「反問権・反論権」を設けることを決定したと聞き、議会改革を止めないという意気込みを感じた。
  • 「いなべ市議会行動計画」の策定と実践によって議員間のやり取りが激増した結果、合意形成が早まる効果もあったとのことである。これは、円滑な議会運営を行う上でも有効に働くと考えられる。
  • 議会と議会事務局が各々の役割をしっかりと担っていると感じた。
  • 議案勉強会は任意参加とのことだが、様々な視点で議案に対して論点整理ができ、更に学ぶ機会となるため、本市でもやってみたいと思った。
  • 委員会審査に入る前に、各議案の論点整理を委員会単位で行うのは、良い取組だと思った。
  • 本市議会としても、今任期の最終年度を迎える来年度、市民の期待・負託に応える議会であり続けるための「あるべき姿」や「理念」を議論し、全議員が共有できる理想のビジョンとして、何らかの提起を行ってはどうか。

和泉市議会の議会活性化の取組について【大阪府和泉市議会】

取組内容

和泉市役所での集合写真

 和泉市議会では、2006(平成18)年に「議会改革検討会議」を設置し、議会改革に関する諸問題を調査しながら議会改革を進めていたが、「議会改革検討会議」は、2020(令和2)年に一旦終了することになった。
 その後、改めて議会改革を推進するための検討の場が必要となり、2023(令和5)年に「議会改革活性化会議」を設置し、開かれた議会に向けて、様々な取組を進めている。
 2021(令和3)年5月に供用開始した新庁舎の議場では、電子採決システムを整備し、賛否が分かれる議案について電子採決を行っている。傍聴席には、マイクを通した音声を直接、補聴器や人口内耳へ伝えることができる「ヒアリングループ(磁気誘導ループ)」を整備し、難聴者の聞こえを支援する環境を整えているほか、車いす使用者向けの傍聴席や、親子1組が入れるガラス張りの親子席も整備している。
 また、音声認識技術を利用したコミュニケーション支援アプリ「UDトーク」を導入し、傍聴席に字幕表示モニターを設置しているほか、2023(令和5)年12月からは、本会議及び委員会のインターネットライブ配信でも字幕の表示を開始している。
 そのほかにも、市議会ウェブサイトのリニューアル、議案・会議資料の積極的なウェブサイトへの掲載、市議会公式SNSの活用など、様々な取組を行っている。

大府市への反映・所感

  • 和泉市議会は、早稲田大学マニフェスト研究所(現:早稲田大学デモクラシー創造研究所)の「議会改革度調査」で、2022(令和4)年に全国174位だったものが、2023(令和5)年には全国9位、2024(令和6)年には全国6位と近年大きく順位を上げている。小さな改革をコツコツと実施し、見事に順位を上げたことは大変すばらしく、見習うべきと感じた。
  • YouTubeでのリアルタイム配信は、議会事務局の担当者は大変気をつかうが、「開かれた議会」の実践のためには良い取組である。リアルタイム配信を行うことで、議員は、自分の発言により一層気を付けることができるのではないか。
  • UDトークで生成されたテキストデータは、議会内で共有され、各議員が随時確認できる状態になっているとのことである。本市でも同様にできると、議会事務局に都度、確認する作業等が短縮できるのではないか。
  • ヒアリングループの設置、UDトークの導入など、和泉市は、聞こえに不安のある方への支援に対する意識が高い。本市でも字幕表示サービスを開始したところだが、更なる環境の整備が望まれる。
  • 議案のウェブサイト上での公開については、他自治体での事例も数多くある。本市でも、市長部局と調整し、検討してもよいのではないか。
     

このページに関するお問い合わせ

議会事務局 議事課
電話:0562-45-6251
ファクス:0562-47-5030
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