吉川獅子屋形が市指定有形民俗文化財に指定されました

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ページ番号1026679  更新日 2023年5月23日

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 令和5年3月7日、宮内町の吉川熊野神社拝殿内に保存される「吉川獅子屋形」が、市指定有形民俗文化財に指定されました。
 本体に「吉川村 若者」「名古屋橘町(現名古屋市中区)吉野屋善八作」「天保七年 月」の墨書が残り、江戸時代後期1836年に創建されたものと考えられます。1980年(昭和55年)に地元住民によって大規模な修復が行われ、現在まで保存継承されてきました。
 大府市では、指定有形民俗文化財として、横根地区、北尾地区に江戸期の山車が継承されていますが、江戸期の獅子屋形が残るのは本例のみで、製作年代や作者を示す墨書も残る貴重なものです。
 獅子屋形は、獅子頭を安置した屋形を太鼓とともに台上に載せて数人で担ぎ、祭礼時に村内を廻るもので、尾張西部から知多、西三河にかけて分布し、よく似た形状の屋形が東浦町にも数基存在します。

 吉川に伝わる獅子屋形は、獅子を安置する屋形本体と長持と呼ばれる素木の箱部で構成され、長持前後には担い棒を挿入するための角型穴と金具が取り付けられています。長持内部には屋形のせり上げ構造が確認できますが、現在は破損しています。
 屋形本体は、獅子頭を安置する四天柱部と二層の屋根で構成され、二層屋根の上層は入母屋で四方正面に造られ、四隅に鯱が取り付けられています。二層屋根下層は四方に唐破風が付けられ、軒廻と四天柱部との間に獅子などの彫刻が施され、屋根は二層とも葺いたように板に細工し青色彩色されています。全体に黒漆塗り、金箔押しで、柱や高欄は金具で装飾されています。

 吉川獅子屋形が創建された江戸後期の吉川村の戸数は、同時期に編纂された「尾張徇行記」によると114戸となっています。戸数わずかな村で豪華な屋形をこしらえた当時の人々の熱意を後世に伝えたいと吉川獅子屋形保存会の方々は語っています。
 獅子屋形は、毎年4月の第一日曜日の祭礼にて境内に引き出されます。
 

写真:吉川獅子屋形


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