厚生文教委員情報交換会(~教育の機会をつなぐ~三つ葉) 令和5年7月25日

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ページ番号1028336  更新日 2023年8月21日

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 令和5年度の厚生文教委員会では、「子どもの多様な学びについて」をテーマに、本市の不登校(長期欠席)の現状や課題について調査研究を進めており、令和5年7月25日に、様々な事情で学校から離れている子どもが各々のペースで「学び」の場を得続け、その後の人生の選択肢を広げられるよう、子どもや家族に寄り添う活動を行っている~教育の機会をつなぐ~三つ葉の皆様と情報交換会を行いました。また、情報交換会を経て、同日、意見交換会を行いました。

子どもの多様な学びについて

取組の経緯と目的

  •  取組を始めた背景として、代表者の方が3年間のアメリカでの生活を通じて日本の教育との違いを目の当たりにしたことがあげられた。ホームスクーリングで生き生きと学び、自分に誇りを持つ子どもたちの姿に教育の多様性を感じ、不登校の児童生徒の受け皿となる場を提供することの必要性を感じた。
  • 日本の義務教育は素晴らしいと思うが、学校に行かなければ受けることができない。不登校になった児童生徒の心身を休ませることは大切であるが、人との関わりも大切である。家で何をしてよいのかわからない、学校の授業がわからない、進学や就職に対する将来への不安を抱える中で、あらゆる子を健やかに育む支援が大切である。温かい居場所となり、学習・体験の機会を提供することで、各人が自分なりに学んでいる。
  • 自身や子どもが不登校の経験を持つスタッフの方からは、受け止めてくれる大人、向き合ってくれる大人の存在が重要だということや、人との出会いが明るい希望をもたらすということ(賛否は別としてインターネットでの出会いも含む)、安心できる場所が必要であること、興味や意欲を持ち成功体験を繰り返すことが大切であること等の意見があった。

取組内容と現状

  • 現在対応している不登校児童生徒数や学年構成は、次のとおりである。
    ・座談会や企画に参加されている方:128人
    (内訳:小学校低学年52人、小学校高学年45人、中学生26人、高校生5人) 
    ・個別相談で対応されている方:78件(実数37人)
    (内訳:小学校低学年3人、小学校高学年12人、中学生9人、高校生13人)
  • 開催に当たっては、給食も提供し、座談会や企画の日、学習会の日を各週1回としている。
  • 一日の過ごし方としては、読書、ボードゲーム、戦略を考える鬼ごっこなど、そこに学びがあるもの、社会性・協調性を育むことができるものを取り入れるよう意識している。
  • 保護者には、専修学校や通信の学校等の情報を提供・共有をしている。
  • 学校との連携については、中立・第三者という立場を意識し、児童生徒や保護者が自分自身で連絡・相談できるように継続的な支援を行っている。
  • 時に保護者の代理として、スクールソーシャルワーカーと面談したこともある。

課題や今後の取組について

  • 現在、3年間という期間で市からの補助金があるが、その後の活動を維持できるか、資金面に不安がある。
  • スタッフ全員がボランティアで行っているので、保護者からの活動回数を増やしてほしいという要望に応えにくい。
  • 子どもとの接し方において、専門的な知識を得るための研修費の補助があると助かる。
  • 不登校の児童生徒が通うことのできるレインボーハウスのようなスペースが足りない(子どもが自分で通える距離にあることも必要)。
  • 学校での教員不足・多忙化、学校の仕組みに融通性が乏しい。
  • ICT化が進み、タブレット端末等を通じて先生と連絡を取ることができているので、もっと活用できるようになると良い。
  • 大小様々なフリースクールなど、学びの場は増えているが、独自の思想やカリキュラムの中で、教育の質の格差が生じているのではないか。

大府市への反映・所感

  • 不登校にならないための根本を研究していくべきなのか、不登校に対する支援に力をいれていくべきなのか、議論をする必要があると考える。
  • できれば既存の小中学校がもっと居心地の良い場所だと思えるような受け皿になってくれるとよい。
  • コミュニケーションの場として、レインボーハウスのようなスペースを増設する必要がある。
  • 何かしらの悩みがある子どもたちの居場所は必要である。
  • 公民館や児童老人福祉センターの一角を居場所として利用するのもよい。
  • レインボーハウスのようなスペースに通うことが、学習を保障することではない。
  • 不登校問題の解決とは、どのような姿を想定するのかが難しいと感じた。
  • 不登校児童生徒の受け皿、居場所といったものの確保は、喫緊で取り組むべき重要な課題である。
  • 不登校の原因が多様化している中で、自分の感情を適切に言語化できない子ども等、原因を突き詰めて改善・解決することで学校に行けない状況を解消することが、必ずしも正しい回答とはなり得ないという点を確認しておく必要がある。
  • 重要なステークホルダーである三つ葉のような民間の団体に対して、「支える人を支える」何らかのサポートが必要である。
  • 不登校(長期欠席)への対応を考えるに当たり、これまでの公教育の在り方であったともいえる、皆が同じ条件で待遇される『平等』と、これからより一層求められる、人それぞれの違い(個性)を認めて、一人ひとりに必要なサポートを行う『公平』の在り方について、整理して考えていかなければならない。

 貴重な御時間をいただいた~教育の機会をつなぐ~三つ葉の皆様には、深く感謝を申し上げる。今後も他の事例を参考としつつ、調査研究活動を進めていく。

このページに関するお問い合わせ

議会事務局 議事課
電話:0562-45-6251
ファクス:0562-47-5030
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