おおぶレインボープラン~総合的な長期欠席者支援によるWell-beingの向上~
大府市は、長期欠席(不登校)児童生徒一人一人が抱える、多様で複雑な背景を適切に把握し、個々の状況に応じた学校内外での環境づくりや各種相談体制の充実を図り、児童生徒の自立と社会参加を促進することで、自己肯定感を高め、身近に幸せを感じられるよう、「おおぶレインボープラン」を2023(令和5)年度に取りまとめました。
おおぶレインボープランに込められた想い
長期欠席児童生徒は、2023(令和5)年度時点において、全国の小中学校で約34万6千人に上り、大府市でも増加傾向にあります。
大府市では、1990(平成2)年度に「大府市レインボーハウス(教育支援センター)」を開設し、長期欠席児童生徒への取組の礎として長年活動しています。施設名の「レインボー」には、利用者の個性や彩(いろどり)を大切にした、個々に寄り沿った支援への想いが込められています。
本プランについても、この「レインボー」を本市のレガシーとして受け継ぎ、長期欠席児童生徒の多様な在り方を受け入れ、これからの社会変化に対応した総合的な支援体制を整備し、誰一人取り残されない教育を目指します。
Well-being(ウェルビーイング)の向上
Well-beingとは、身体的・精神的・社会的に満たされた状態のことを指し、近年、教育の分野においても注目されています。
児童生徒ごとに様々な事情や環境があることを理解し、環境を整え、個人や個人を取り巻く場や地域が幸せを感じられる状態に高めていくことを1つの目標としていきます。
長期欠席児童生徒への7色(なないろ)の支援
1.学校内における居場所の充実
- 校内教育支援室の設置拡大・支援員の配置
児童生徒が安心して学ぶことのできる場として、中学校に加えて、全小学校で2025(令和7)年度から開設します。また、各支援室に支援員を1人ずつ配置します。 - 養護教諭と養護教諭補助員の配置による保健室の全校2人体制
県の養護教諭の配置が1人のみの中学校2校(大府西中、大府南中)について、市独自に養護教諭補助員を配置することにより、全ての小中学校の保健室を2人体制とします。 - 校内教育支援室の校内フリースクール化(自己肯定感を高め、社会的自立を図る場)に関する調査・研究
2.学校外における居場所の充実
- 第二教育支援センターの新設(2025(令和7)年度着工)
教育支援センター「レインボーハウス」の利用者数が増加していることや通所距離により通うことができない児童生徒がいる可能性を踏まえて、東新テニスコート跡地(大府市東新町地内)に、新たに「健康増進・交流拠点」との複合施設として「第二教育支援センター」を整備します。2026(令和8)年度中の開設に向け、2025(令和7)年度から建設工事を行います。 - 夜間中学校での学び直しの支援
義務教育課程において長期欠席等の状態にあった方に対する教育の機会を確保するため、夜間中学校での中学課程の学び直しを支援します。 - 民間フリースクール等の授業料の半額補助(1月あたり上限2万円)
- 「レインボーハウス」での学校復帰・社会参加に向けた支援
3.ICTを活用した相談支援・居場所の充実
- メタバースの活用(2023(令和5)年度~)
レインボーハウスでは、スクールカウンセラーによる相談支援を行っています。直接面会しての相談を不得手とする児童生徒への対応や、新たな居場所づくりに向けた環境整備の一つとして、メタバース(ネット上の3次元仮想空間)を利用した支援を行います。 - タブレットを活用した、自宅・別室等でのオンラインによる授業参加
4.相談支援体制の充実
- スクールソーシャルワーカーの増員による相談支援の拡充
スクールソーシャルワーカーを2人から4人に増員し、相談支援体制を一層拡充します。 - スーパーバイザーによるスクールソーシャルワーカーへの指導・助言(支援体制の充実)
- 中学校に市独自で配置する「心の教室相談員」による相談支援(各中学校に配置)
- 市独自で配置する「スクールカウンセラー」によるレインボーハウスでの相談支援
5.地域における活動との連携
- 事業提示型協働事業を活用した市民活動団体との連携(2023(令和5)年度~)
地域で長期欠席者に対する教育等支援や保護者への相談支援を実施している団体「~教育の機会をつなぐ~三つ葉」と連携し、事業提示型協働事業(市民との協働で実施することにより効果を高められる事業)として、レインボーハウスにおいて月1回の児童生徒向け講座と保護者向け座談会を開催することで、レインボーハウスを利用する児童生徒の活動を充実させ、保護者が気軽に話すことのできる場を用意するとともに、団体の育成を図り、支援の担い手を増やしていきます。
6.切れ目のない支援に向けた関係機関との連携・情報交換・研究
- 未就学段階から中学校卒業後までの情報連携(地域活動支援センター等の支援先への接続)
- 「長期欠席者教育支援会議」の開催(情報交換、医師等専門家からの助言)
- 「長期欠席者事例研究会」による教員等の自主的な研究活動
7.長期欠席への理解の促進
- 虹の架け橋サポーターによる啓発活動
2024(令和6)年度に任命した虹の架け橋サポーターの啓発活動を通して、地域や学校での寄り添う気持ちの醸成を図ります。
2025(令和7)年10月にレインボーハウスでのイラスト講座等を開催予定。
虹の架け橋サポーター:漫画家 棚園正一(タナゾノショウイチ)氏
添付ファイル
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おおぶレインボープラン(2025(令和7)年度版) (PDF 2.8MB)
おおぶレインボープランの概要を掲載しています。
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このページに関するお問い合わせ
教育委員会 学校教育課
学校総務係 電話:0562-46-3332
学校施設係 電話:0562-38-5090
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