厚生文教委員会行政視察 令和4年10月12日から14日まで

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ページ番号1025177  更新日 2022年12月1日

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令和4年10月12日から14日まで、東京都西東京市、東京都大田区及び茨城県水戸市を視察しました。

eスポーツを活用したフレイル予防事業の推進について【東京都西東京市】

取組の背景、目的

東京都西東京市にて

 フレイル予防には社会参加が重要と言われている。参加促進を進めていた中で、関心の薄い方への参加を促すコンテンツの一つとしてeスポーツを検討した。また、高齢者のデジタル機器への苦手意識を払拭するきっかけとなることや、多世代交流の機会となることを期待して始めた。

取組の内容と現在の状況

 令和4年度から、高齢者を元気にするフレイル予防の新事業として、高齢者がビデオゲームを楽しむeスポーツ講座を開設した。また同時に、eスポーツのルールや機器の操作を伝えるだけでなく、仲間同士や若者世代との多世代交流をサポートする健康デジタル指導士の養成講座もスタートした。
 健康デジタル指導士は、日本アクティビティ協会の認定資格であり、eスポーツ講座の指導役である市民ボランティアとなる。10代から70代の14名が資格を取得しており、eスポーツ講座だけでなく、スマホ講座のサポートも担っている。スマホ講座は、高齢者のデジタルデバイド解消のために開催されており、市の公式LINEや公式アプリの使い方等を教えている。
 eスポーツ講座は、市内の公共施設やサロンなどを会場とし、家庭用ゲーム機で「太鼓の達人」や「グランツーリスモ」などの楽しみながら参加できるものを採用している。
 フレイルチェックや他のフレイル予防事業との連携により、効果的な事業実施を図っている。また、eスポーツはフレイル予防に資する事業と位置付け、効果的に事業を実施するための検証を行っている。講座の担い手である健康デジタル指導士の養成を進めており、特に多世代交流の点からも若い世代の担い手を増やしていく必要があると考えている。

大府市への反映・所感

 eスポーツは、健康づくりにおける新しい取組として期待できると感じた。本市では、高齢者がデジタル社会にスムーズになじめるように公民館に講師を呼んで講座を開催しているが、講座だけでなく、いろいろな機会を捉えてデジタル社会になじめるように取り組むことが必要である。また、多世代を巻き込んだ事業にすることが重要であるため、企業頼みにならない、本市ならではの独自性・主体性に期待したい。
 本市がeスポーツの取組を進めるに当たり、健康都市スポーツ推進課スポーツ推進係の所管とした理由や、健康都市のスポーツ推進としてどのような活用方法があるか等については、取組を行う中で検証していく必要があると考える。また、国立長寿医療研究センターと連携することで、エビデンスを伴った検証を行い、よりよい活用方法を見いだしていくことが望まれるが、まず今後は、庁内での連携した取組へとつながっていくことを期待する。

スポーツ健康都市宣言について【東京都大田区】

取組の背景、目的

東京都大田区にて

 平成23年にスポーツ基本法が改正されたため、区民懇談会を開催して、今後のスポーツ施策に関する意見を聴取した。その後、平成24年2月にスポーツによる健康づくりを進めるため、大田区スポーツ推進計画を策定した。また、既存の体育館の建て替えに合わせて、スポーツ健康都市宣言を行った。
 体育館はプロレスの聖地として区民に親しまれており、スポーツを「みる」ことは身近であったが、さらに、スポーツを「する」「支える」ことに取り組んでもらうための宣言であった。

取組の内容と現在の状況

 スポーツ健康都市宣言の記念事業として、おおたスポーツ健康フェスタ、OTAウォーキングなどを実施している。コロナ禍であったため、オンライン配信のみや、会場とオンライン配信のハイブリッド方式等の方法でイベントを開催していた。また、体育館を含む施設では、市民が参加できるスポーツのほか、公式の試合も行えるため、「みる」スポーツも開催できる。
 宣言をしたことで区民の余暇時間の増加や、健康づくりに対する意識の高まりが見られ、定期的にスポーツを「する」区民の割合が増えている。また、東京オリンピック等の影響で更に増えてきている。区民へのアンケートでは、スポーツをしている割合が、平成29年では38パーセント程度だったものが、現在では63パーセント程度まで上昇している。

大府市への反映・所感

 大田区では、東京オリンピックのレガシーの中、区民への動機付けとして、健康都市を宣言した日を記念してスポーツのイベントを開催しており、そのイベントに自治会、青少年対策協議会、PTAなどの多くの団体が参加しているので、区民は健康都市をより一層身近に感じられるのではないかと思った。そのイベントを行うことで、健康都市の一員としての意識や、メンバーとして動いている充実感があり、そういう機会づくりが本市でもできるといい。
 何かに特化したことを行うのは勇気がいるが、特化しないと市民には受け取りづらいこともあるため、「スポーツ特化週間」と掲げて市内一斉運動を行うなどのわかりやすい取組が必要だと感じた。今回の視察によって、スポーツの取組全般と健康都市として目指したいものについて、改めて考える機会となった。

元気な明日を目指す健康都市宣言について【茨城県水戸市】

取組の背景、目的

茨城県水戸市にて

 平成30年の水戸市制施行130周年記念事業の基本方針において、社会情勢や市民ニーズ等を捉えながら、令和2年4月の中核市移行にあわせ、健康都市宣言を行うこととした。また、水戸市長が表明した市政運営の基本方針の中で、中核市移行を機に「健康」を新たなキーワードとして表明し、元気な明日を目指す健康都市宣言を行った。

取組の内容と現在の状況

 元気な明日を目指す健康都市宣言は、令和2年4月1日に宣言され、以下の七つの取組が示された。

  1. 自分の体力に応じた運動やスポーツに取り組みます
  2. 地元食材を取り入れたバランスの良い食事をとります
  3. 定期的に健康診断を受診し、病気の予防や早期発見・早期治療に努めます
  4. ていねいに歯をみがき、定期的に歯科健診を受診します
  5. 禁煙や適度な飲酒量を心がけます
  6. 積極的に生きがいを見つけます
  7. 十分な睡眠とストレスの解消に努め、こころにゆとりのある生活を送ります

 健康に関する88の事業を宣言にある七つの取組ごとに分類し、年代ごとにわかりやすくした一覧表を作成し、見やすくまとめている。その一覧表にカレンダー機能を追加した健康宣言カレンダーは、毎年4月に全戸配布している。また、民間企業とも連携して事業を進めており、健康講演会や健康に関するセミナーなどを開催している。
 大府市でも実施していた健康マイレージ事業も行っており、令和4年度で7回目となる。企業や団体が積極的に協賛しており、自転車や電子レンジなどの景品が提供されている。また、市外や県外から協賛している企業等もある。
 水戸市は近隣の9市町村(いばらき県央地域連携中枢都市圏)で連携し、ICTを活用した健康づくり事業を推進するため、官民連携による健康づくりプロジェクト推進協議会を設立し、社会実験を行うなど、健康づくりに資する取組を実施している。令和4年度は、広域の住民の意識や要望を確認することで、今後の施策の参考とするためのアンケート調査を実施した。また、広域で住民の健康づくりの意識を高め、健康寿命の延伸を図るとともに、健康づくりに関わる企業との連携を強化し、住民の健康に寄与するため、茨城県央地域ウェルネス連携協議会を設立した。

大府市への反映・所感

 水戸市の「元気な明日を目指す健康都市宣言」は、近年行われた宣言であるため、宣言文や目標がわかりやすく、事業の一覧表も年代別や事業別で見やすくまとめられていた。また、庁内各課へのアプローチとして、機会があれば「健康都市」をPRするように依頼していた。市の封筒に宣言を印字するなど、市を挙げて取り組まれている。
 本市においても更に庁内で連携を深めていくことで、より「健康都市」を市民が意識しやすくなるのではと思った。
 本市で行っていた健康マイレージ事業は、一定の役割を果たしたとして終了したが、「健康」をキーワードとして市民と地域や事業者をつなぐまちづくりのツールとしての意義があるのではないかと思った。
 水戸市は、市民が健康づくりに自主的に参加することと、市民それぞれが主体的に健康づくりに取り組むための働き掛けを大切にしており、「健康」をキーワードにしたまちづくりに取り組んでいると感じた。

このページに関するお問い合わせ

議会事務局 議事課
電話:0562-45-6251
ファクス:0562-47-5030
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