5月合併号 大石康さん

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ページ番号1014314  更新日 2020年5月1日

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市制50周年ロゴマーク

 少年柔道の強豪チームである大石道場創設者の大石さん。広報おおぶ昭和58年6月1日号では、全国少年柔道大会で全国初制覇した時の気持ちなどを語っていただきました。今回は、大石道場を設立したきっかけや指導時のエピソードなどを通して、大石さんの人柄に迫ります。

プロフィール

大石康さん写真

1942年10月、東京都生まれ。
3歳の時、鹿児島県出水市へ移り、10歳で柔道を始める。高校卒業後、富士製鉄に入社。先輩の神永昭夫さんの影響で、少年柔道の指導に取り組むことを決意し、1975年大府で大石道場を設立。
1992年バルセロナ五輪金メダルリストの吉田秀彦さんを始め、国内外で活躍するアスリートを数多く輩出。2016年、その功績が認めら、市スポーツ栄誉賞を受賞。

 

いつまでも持ち続ける親心

広報おおぶ昭和58年6月1日号表紙の写真
広報おおぶ昭和58年6月1日号裏面

大石道場(共和町)の設立者で、バルセロナ五輪柔道金メダリストの吉田秀彦さんなど多くのアスリートを指導した大石康さん。指導者として名高い大石さんは、自身も選手として柔道生活を送っています。

大石さんは東京で生まれた後、物心付く前に鹿児島に移り住みます。小学5年生の時、腕っぷしの強さを生かすために柔道を始めたいと思った大石さんですが、母の死別と戦後で衣食もままならない状況があり、柔道着が買えなかったそうです。先生に相談すると「週に2回なら学生服でもいい。ただし、受け身だけな」と言われ、柔道を始めます。柔道着を手に入れたいと思った大石さんは上級生に相談すると「新聞配達のアルバイトをしてみたらどうだ」と助言され、毎朝新聞配達をしてから小学校に行く生活が始まります。「柔道着を買うまで1年間受け身の練習をしたが、受け身を学んだことで技をかけられる恐怖心がなくなり、上達が早かった」と基本の大事さを実感したエピソードを語ります。

その後大石さんは、出水中学校、出水高校に進学し、勉強と部活を両立しながら努力を重ね、高校2年生の鹿児島県大会団体戦では準優勝に輝きました。その後社会人として柔道を続けるにあたり、全日本選手権チャンピオン、のちに東京五輪無差別級代表となる神永昭夫さんに憧れ、富士製鉄(現:日本製鉄)に入社します。

昭和36年に撮影された大石さんの写真
昭和36年、富士製鉄時代の大石さん。
全日本実業団対抗柔道大会で優勝

柔道が五輪に初登場したのは1964年東京五輪。日本は軽量級、中量級、重量級と金メダルを獲得し、神永さんは日本中の期待を背負い、無差別級に出場。しかし、最後に立ちはだかったのは、体格ではるかに上回るオランダのアントン・ヘーシンクでした。神永さんはヘーシンクに押さえ込まれ、一本負け。この試合後「柔道がJUDOになった日」として、国民の心に記憶されました。大石さんは「神永さんは負けた翌日も何事もなかったかのように仕事をしていた。本当に模範となる人です」と尊敬のまなざしで当時を振り返ります。

そんな尊敬する先輩の神永さんが、東京五輪の決勝で敗れた後、大石さんにある言葉を残します。「小さな時か
ら基礎をしっかり鍛えなければ、日本は体格のいい外国勢に勝てなくなる」。基本が大事と実感した自身の経験と重なり、基礎から教える少年柔道の指導に取り組む決意をしました。

昭和43年、富士製鉄株式会社名古屋製鉄所(東海市)に転勤後、昭和48年に会社を辞め、東海市の接骨院で2年間修行し、昭和50年4月、大府市で接骨院の開業と大石道場を設立しました。

指導する上で、心掛けていることを聞くと「まずは道場の中心となる柱を作ること。一人柱を作れば、周りがついてくる。次に、失敗を恐れないこと」と話します。「吉田は教えたばかりの技をすぐに試合で使い、失敗して負けることがよくあった。でもこれが大事。失敗を恐れずに技を使わないとうまくならない。これが、彼が上達した理由だと思う」と吉田秀彦さんとの秘話を語ります。

「吉田がバルセロナ五輪で金メダルを取り、凱がいせん旋パレードをした時、多くの市民が駆け付けてくれた。市民の応援は力になります。柔道に限らず、子どもたちは自分のためだけに努力することには限界があり、良き理解者、協力者、応援者がいれば、より一層成長します。ぜひ応援してあげてほしい」と親心であふれる大石さんは、神永さんの精神を受け継ぎ、今日も畳の上に立ち続けます。

スポーツ栄誉賞を受賞する大石康さん。
2016年、市スポーツ栄誉賞を受賞

このページに関するお問い合わせ

企画政策部 企画広報課
電話:0562-45-6214
ファクス:0562-47-7320
企画政策部 企画広報課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。