8月合併号 竹澤恭子さん
プロフィール
大府小、大府中出身。3歳でバイオリンを始め、小学6年生の時には大府市音楽祭で演奏した。1986年第2回インディアナポリス国際バイオリン・コンクールで圧倒的な優勝を飾り、国際的スターダムにのし上がる。
音楽は世界共通語。 自分の思いを音楽で表現

新年の期待と抱負
「バイオリンがやっぱり好き。音楽が与えてくれた力は大きく、大作曲家が残した曲の素晴らしさは追及したくなる魅力がある。まだまだ探究中です」。そう語るのは、世界で活躍する市出身のバイオリニストの竹澤恭子さん。
竹澤さんがバイオリンを始めたのは3歳のとき。「誕生日に両親からバイオリンをプレゼントしてもらい、すぐにスズキ・メソードに通い始めました。週1回のレッスンには父が名古屋まで送迎してくれ、毎日の自主練習には母が付き合ってくれました」。音楽の楽しさに気づいたのもこの頃で「親戚の集まりがあった時に、突然の雷で停電してしまったんです。暗くて怖くて震えていましたが、いとこが不意にバイオリンで演奏を始めたんです。怖さを音楽が打ち消してくれて、音楽って人を楽しくさせてくれると思いました」と話します。

プロの道へ進む決意
バイオリンにのめり込み、努力を重ねた竹澤さんは小学1年生の時にスズキ・メソードの海外派遣団に選ばれ、米国などへの演奏旅行に出掛けます。初めての海外に不安を抱えていたそうですが「音楽は世界共通語。バイオリンが私の分身となって思いを伝え、世界とつながることができました」と充実した日々を懐かしそうに振り返ります。さらにこの演奏旅行は竹澤さんのその後に影響を与え「厳しい練習を乗り越え、コンサートを無事に終えることができ、カーテンコールでいただいたお客さまからのスタンディングオベーションにとても感動しました。漠然とバイオリニストになりたいと思った瞬間でした」と語ります。この演奏旅行には小学4年生まで毎年参加しました。
バイオリン中心の生活で、学校を長期で休むこともあったという竹澤さんですが、学業もおろそかにしません。「授業ではとにかく先生の話を聞いて覚え、移動の新幹線でも勉強していました。バイオリンで培った集中力が勉強にも役立ちました」と話します。「先生方が私の活動を理解してくれ、同級生たちもリサイタルに駆け付け応援してくれました」と周囲への感謝も忘れません。
高校は音楽の名門・桐朋女子高校に進学し、在学中に日本で最も権威と伝統のある第51回日本音楽コンクールに出場し、バイオリン部門で当時としては史上最年少となる15歳で第1位に輝きます。米国最高峰といわれる音楽大学・ジュリアード音楽院在学中には、世界三大バイオリンコンクールの一つで、4年に1度開催されるインディアナポリス国際バイオリン・コンクールで圧倒的な優勝を飾ります。「音楽家にとってコンクールで優勝するということは、プロの音楽家のスタートに立つということ。優勝後のスケジュールはすさまじく、この賞をきっかけに各国とのマネジメント、レコーディングの契約をすることができました。憧れのカーネギーホールで演奏したときに、やっと一人前のバイオリニストになれたと感じました」と振り返ります。

市初の芸術文化功労賞
国際的なバイオリニストとして活動する傍ら、地元大府では平成18年から3年に1度、市内全中学校で行われる学校訪問コンサートで中学生に生演奏を届けています。「音楽を通して何かしらのエネルギーを伝えたい。人の心を動かし、好きなことを見つけるきっかけにしてほしい」とその思いを語ります。バイオリニストの水野紗希さんやチェリストの佐藤桂菜さんなど、若い演奏家たちが大府から育っていることについて「音楽に興味を持ち、活動をする人が増えるのはうれしい。一緒に音楽を通して市民の皆さんの生活を豊かにしていきたい」と話します。
大府市が市制50周年を迎えたことについて「私と大府市はほぼ同世代。まちが成長し、若いファミリーが増え、発展し続ける大府市は将来につながるまち。大きな未来を持っている若い人たちや長年大府を支えてきた人たちの生活を豊かにできるよう、私にできることをこれからも続けていきたい」とふるさとへの思いを語ります。「将来的には大府市から世界に発信できるような音楽祭を開催したい」。世界の目が大府に注がれる日、その舞台の中心で演奏する竹澤さん。そんな日を夢見て、今日も竹澤さんのバイオリンの音色が世界中の人の心を魅了しています。
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第51回日本音楽コンクールバイオリン部門で15歳という若さで1位に輝く
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1991年5月、勤労文化会館開館記念リサイタルのリハーサル
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2018年6月、大府中学校での学校訪問コンサート
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2019年2月、市広報大使に就任

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