4月1日号 飯田覚士さん

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ページ番号1013738  更新日 2020年4月1日

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 元WBA世界スーパーフライ級王者の飯田覚士さん。広報おおぶ平成8年2月1日号では世界タイトル戦への決意を語り、平成10年1月15 日号では世界王者に輝きチャンピオンベルトを巻いた姿で表紙を飾りました。今回はボクシングを始めたきっかけや当時の心境、現在の活動について聞き、飯田さんの人柄に迫ります。

プロフィール

飯田覚士さんの写真

昭和44年名古屋市生まれ。
幼い頃からは北崎町で過ごし、大府東高校卒業後、岐阜経済大学に進学。大学3年時に日本テレビ『天才たけしの元気が出るテレビ』の『ボクシング予備校』に参加し、平成3年プロデビュー。
平成6年に日本王者を獲得後、平成9年12月、3度目の挑戦にて悲願のWBA世界スーパーフライ級王者に輝く。2度防衛後、平成10年12月、判定負けで王座陥落。翌年2月に現役を引退。プロ通算成績は28戦25勝2敗1分け。
現在平成16年に開設した『飯田覚士ボクシング塾ボックスファイ』(東京都中野区)主宰。

 

ボクシング人生を歩んだ自分は人生の先輩

広報おおぶ平成10年1月15日号表紙の写真
広報おおぶ平成10年1月15日号表紙

現役時代に人が生まれてから死ぬまでの一生分の経験をできたんじゃないかと思います。ボクシング人生を歩んだ自分は、人生の先輩で、もう一人の自分がいる感覚です」。そう話すのは市出身で、元プロボクサーの飯田覚士さん。平成9年12月23日、ヨックタイ・シスオーに勝利し、WBA世界スーパーフライ級王者に輝きました。

飯田さんは、日本テレビのバラエティー番組『天才たけしの元気が出るテレビ!!』の『ボクシング予備校』という企画への応募がきっかけでプロボクサーになりました。当時の思いを聞くと「この応募ハガキを出すと人生が変わる…。ビビッとくるものがあった」と話し、人生の転換期を予感していました。その後平成3年にプロテストに合格。「番組は終わったが、周りの反響が大きく、引くに引けなくなった。取りあえず、一旗揚げよう」と、ボクシングに明け暮れることを決意しました。

世界タイトル戦までの戦績は、20戦20勝10KO。飯田さんは一戦一戦の積み重ねで勝利を重ね、日本では敵なし。無敗のまま世界タイトル戦に臨むこととなりました。一見順風満帆に見えるボクシング人生ですが、世界タイトルの獲得まで3度挑戦しています。世界初挑戦時には「大府から500人程の大応援団が駆け付けてくれた。海外の選手は計り知れない強さでしたが、あと一歩のところだった」と、2度目の挑戦後には「チャンピオンになることは雲の上のことで自分にかなうのか。1回目はKO負け、2回目はドロー。やることは全てやった。自分はチャンピオンになれない運命なのか」と当時の心境を振り返ります。

広報おおぶ平成8年2月1号
広報おおぶ平成8年2月1号裏表紙

しかし3回目の挑戦を目指すようになります。「『なんでダメなの…』と思い、試合後のシャワー室でうなだれていたところ、『もっと頑張れ』と天から声が聞こえた」と話し、続けて「エネルギーは限界。あとは心を鍛えるのみだ」と精神面を強くすることを決めました。それ以降、『肯定、感謝、うれしい、楽しい』を常に心掛け、平成9年12月、2度目に対戦した相手にリベンジを果たし、WBA世界スーパーフライ級王者になります。

スポーツ界には、引退が付き物。飯田さんもその例外ではなく、平成10年12月、3度目の防衛戦で古傷の右肩を脱臼。この試合で、けがを抱えながらも飯田さんは「左がまだ使える。1%でも可能性があるなら諦めない」とダウンせず戦う姿勢を見せ続けました。その後、そのけがの影響もあり、引退を決意します。

現在、飯田さんは平成16年に開設した『飯田覚士ボクシング塾ボックスファイ』でボクシングでの経験を生かし、見る力を鍛える視覚能力トレーニング教室を開き、一線を退いた今も後進の育成に励んでいます。 今描いている夢を聞くと「まずは大府の子どもたち向けの講座を行いたいな。皆さん、ぜひご期待ください」と話します。

「何か地元に恩返ししないといけない。それが私の使命」。現在の飯田さんはボクシング人生で例えると世界王座挑戦時くらいなのでしょうか。地元に応援されてきたからこそ芽生えたその恩返しの気持ちを胸に、人生の先輩であるもう一人の自分の助言のもと、後進の育成のために今も人生のリングの上に立ち続けています。

飯田覚士ボクシング塾ボックスファイで小学生にボクシングを教える飯田さん

  • 左ストレートを放つ飯田さん

    渾身の左ストレート

  • 名古屋レインボーホール(現:日本ガイシホール)を埋めつくす大府から駆け付けた大応援団

    世界初挑戦時、名古屋レインボーホール(現:日本ガイシホール)に駆け付けた大府からの応援団

このページに関するお問い合わせ

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企画政策係 電話:0562-45-6212
広報広聴係 電話:0562-45-6214
ファクス:0562-47-7320
企画政策部 企画広報戦略課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。