建設産業委員会行政視察 令和4年10月18日から20日まで

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ページ番号1025238  更新日 2022年11月16日

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令和4年10月18日から20日まで、広島県福山市、岡山県高梁市及び兵庫県芦屋市を視察しました。

ウォーカブルなまちづくりの取組について【広島県福山市】

取組の背景、目的

広島県福山市

 国道沿いに大型店舗の出店したことなども要因となり、46万人という大都市にもかかわらず、市街の人口が空洞化した。課題を解決するために、平成30年には福山駅前再生ビジョン、令和2年には福山駅周辺デザイン計画(ウォーカブルエリアの設定)が策定された。

取組内容、現在の状況

 福山駅周辺の再生に向けたウォーカブルなまちづくりの取組について、福山駅前再生ビジョンは方向性を示す基本方針であり、福山駅前周辺デザイン計画は具体的なソフトとハードのプロジェクトを定める官民連携の計画となっている。
 福山駅周辺デザイン計画は、約90ヘクタールの地域を居心地がよく歩きたくなる区域(ウォーカブルエリア)として設定している。具体的な官民連携の取組は9つあり、主なものは、伏見町エリアではリノベーションスクールを開催し、ソフト面で受講生を支援したリノベーションまちづくりがある。その結果、20件の新事業がスタートし、地価も9パーセント上昇した。
 このほかに、三之丸町地区優良建築物等整備事業では国・県・市が協調し、駅前の大規模商業施設を解体し、新たな複合施設を令和6年3月竣工予定で整備している。
 また、平成14年に福山市がそごうから買い取った建物を利用し、1階部分のみ「iti SETOUCHI」という、飲食・物販・アート・ワーキング・イベント等ができる施設を令和4年9月にオープンさせた。
 このように、福山市としては全体のコンセプトを持った、長期的なまちづくりを官民連携で進めている。

大府市への反映・所感

 リノベーションによるまちづくりについては、大府市のように空き店舗利用に対する補助金を出すのではなく、リノベーションスクールを開催し、事業者をソフト面で支援したことで成果をあげている。また、デザイン会議もWEBで公開して、オープンな形で進めている。このようなソフト面の取組やオープンな取組は、大府市でも見習うべきであろう。
 まちづくりに必要なことは、当事者がどれだけやる気を出すか、やりきるかにかかっている。現在、大府駅、共和駅前のにぎわいづくりに取り組んでいるが、補助金ありきではなく、当事者がやる気を出すようサポートして、オープンな形でその取組が進められることが望まれる。
 また、まちづくりには市民や事業者などの核となる人物が必要であると考える。

広島県福山市

広島県福山市

公共交通、乗合タクシー事業の取組について【岡山県高梁市】

取組の背景、目的

岡山県高梁市

 平成28年に1市4町が合併し誕生した市のため、面積が広大であり、高齢化や人口減少への対策が喫緊の課題であり、公共交通空白地域(バス停若しくは駅から半径400メートル 圏外)を解消するために、平成22年3月の地域公共交通総合連携計画から始まり、令和3年2月の第2次公共交通網形成計画実施計画に至っている。

取組内容、現在の状況と課題

 第2次公共交通網形成計画では、公共交通運行事業である(1)路線バス、(2)生活福祉バス・スクールバス混乗、(3)乗合タクシー を見直し、交通弱者支援事業、利用促進事業、マネジメント系事業等を見直し、検討している。
 民間路線バスは利用者が減少し、廃止の方向だが、少しでも現状の路線を維持しようと苦慮している。
 生活福祉バスは路線バスを補う形で運行されてきたが、これも利用者の減少で廃止・縮小の方向である。
 乗合タクシーは、バス路線を線とすると「面」で補完するやり方で地域や運行日を決め、ドアツードアで運行してきたが、これも利用者は減少傾向である。
 高梁市の公共交通事業に掛かる費用は年間約2.5億円で、これを令和6年度に約2億円にする計画であるが、サービスを維持・向上し、費用を下げるのは至難の業である。
 乗合タクシーの休止・廃止により令和2年12月1日から対象地区を決め、「高梁市タクシー利用助成制度」(実証事業)を行っている。高梁市に住民登録がされており、現に居住する65歳以上で運転免許を保有しない方を対象として、申請者に利用者証(顔写真入り)を発行し、1人当たり年間36,000 円分(500 円×72 枚)配布している。

大府市への反映・所感

 「面積が広く、高齢化率が高い高梁市では、公共交通政策の解は一つではない」、この言葉に象徴される視察内容であった。現在、大府市ではふれあいバス(循環バス)の増車、ダイヤ・ルートの改正を行って地域公共交通の充実に取り組んでいるが、更なる高齢化に向け、ふれあいバスの改善を継続しながら対象を限定したタクシー利用助成や病院・企業との連携等、複合的に考えていく必要がある。
 高梁市等の先進(先行)事例を勉強して、コンパクトシティならではの施策の立案に役立てていかなければならないと考える。

無電柱化推進の取組について【兵庫県芦屋市】

取組の背景、目的

兵庫県芦屋市


 

 芦屋市の無電柱化への取組は、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、都市景観の向上等の観点から行われてきた。芦屋市は最終的に「電線・電柱のないまち」を目指し『国際文化住宅都市』としてのブランド力の向上を図っている。
 

取組内容、現在の状況と課題

 昭和3年の六麓荘地区の取組から始まり、令和4年4月現在、無電柱化率15.4パーセントで、市町村では全国1位となっている。
 平成28年の無電柱化の推進に関する法律の施行を受け、平成30年11月10日(無電柱化の日)施行で芦屋市無電柱化推進条例を制定し、特別景観地区内の電柱占用禁止の要請や無電柱化地区の指定、開発行為に伴う無電柱化を規定した。同時に、市民や電線管理者と一緒に無電柱化推進計画を策定し、無電柱化を推進している。推進に当たっては、電線管理者との合意形成が重要で、電線管理者との関係性を築いている。行政としては、市民との調整や設計段階からスケジュール調整まで事業に関わっていくことが、早期の実現に寄与している。電線共同溝は、道路管理者と電線管理者(電力・通信事業者)がそれぞれ費用を負担し、整備している。
 課題はコストが掛かること(一般的に5.3億円/キロメートル)、事業期間が長いことがあげられ、浅層埋設や小型ボックスなどの低コスト手法や民間の力の活用、積極的な行政の関わりで課題解決に努力している。
 将来的には幹線道路は行政で、生活道路は民間企業での枠組みが望ましいと考えている。また、費用・工期のことを考慮して、あえて無電柱化の時期目標は定めていない。

大府市への反映・所感

 無電柱化にはコストと時間が掛かり、容易にできるものではないことを認識した。しかし、無電柱化は、防災・安全・景観という観点からはメリットでしかない。大府市でも推進していくべき事業である。
 大府市としては、まずは緊急輸送道路の無電柱化を推進していくことが防災・減災対策につながるものと考える。
 推進のポイントとしては、電線管理者等との合意形成を持つことが重要である。また、とにかく無電柱化はコストが掛かることから、区画整理や新たに開発する住宅区域のようなところには電柱を立てさせないようにする、市独自の条例制定や計画などが必要と考える。

兵庫県芦屋市

兵庫県芦屋市

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議会事務局 議事課
電話:0562-45-6251
ファクス:0562-47-5030
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