総務委員情報交換会(協和工業株式会社) 令和4年12月20日

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ページ番号1025706  更新日 2023年1月11日

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 令和4年度の総務委員会のテーマである「大府市における人に優しいデジタル化について」調査研究するため、令和4年12月20日に協和工業株式会社と情報交換会を実施しました。また、この情報交換会を経て、12月21日に委員意見交換会を行いました。

大府市における人に優しいデジタル化について

情報交換会の様子

 「NKS全体最適化 ~入口から出口まで~ TPS(カイゼン)とIT(ユニケージ)の融合実践による変革の道のり」と題して、協和工業株式会社 代表取締役社長 鬼頭佑治氏からは⒈会社概要、⒉NKS改革の歩み、⒊目指すシステムの姿と推進体制について、取締役 小林英治氏からは⒋DX化への挑戦、⒌今後の展開について、お話を伺った。

※NKS:New KYOWA System(入口から出口までを最適化する活動)

  1. 品質のリアルタイム保証(自工程完結の推進)
  2. コスト改革「0・1/2・2」(異常と正常の見極め)
  3. リードタイムの限りなき追及(ながれづくりの見える化)

※TPS:Toyota Production System(トヨタ生産方式)
※ユニケージ:有限会社ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所が考案した業務システム用の商品開発手法の一つで、日本発の進化したアジャイル手法

取組の内容

  • 主要製品はユニバーサルジョイント、ステアリングジョイント、インタミシャフトで、自動車メーカー、農業機器メーカー、産業機械メーカー、建設機械メーカーを主要顧客に持つ専門メーカーである。
  • 経営理念「よろこびと生きがいの実現」のもと、⒈ユニバーサルジョイントのグローバルな普及を目指し日々チャレンジする、⒉いつも「三方よし」を念頭に「三つの開発」を推進する、⒊「NKS」実践のため進んでコミュニケーションと「たすけ合い」をする、という三つの行動指針を掲げている。
    ※三方よし:売り手よし、買い手よし、世間よし
    ※三つの開発:マーケットの開発、最適デザインの開発、強いつくりの開発
  • 全体最適化「NKS」を展開するため、時代の変化に対応できる仕組みづくり、ピラミッド組織のフラット化、あ4会合の実施(人材育成)を行った。
    ※あ4(アフォー)会合:あせるな、あきらめるな、あてにするな、あなどるな
  • 機能しない事はやめる、価値を生まない事はやめるという視点で現行システムを見直したところ、現場で必要な情報がシステム化されておらず、IT人材がいないことに気付き、NKSを支えるシステム改革が必要となった。
  • 2018年に有限会社ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所(USP)と連携し、ユニケージ開発手法、日本発の進化したアジャイル手法を用いた伴走型支援を受けながら、現場改善、システム開発、IT人材育成に取り組む。
  • 業務の棚卸(正常と異常の見極め)と標準化(この人しかわからないという業務の属人化の排除)を実施することで、デジタル化・自動化する前にまずは業務をシンプルにして異常を取り除き、標準化された業務をシステムとしてデジタル化・自動化する。
  • 見える化されたデータから改善すべき点に気付く人材、目的と手段を理解し、自ら考え実践できる人材を育成する。IT人材である前に、NKSを理解し、実践できる事が必要である。
  • Q(品質)、C(コスト)、D(納期)、S(安全)、E(環境)、L(労務)の全体最適化を追求し、マーケットの開発と2030年利益目標を達成するため、全体最適への対応として更なるDX化を目指す。

大府市への反映・所感

  • 視察先での事例とリンクする点が多々あった。自分の仕事しか見えていないと部分的にしか改善できないが、全体を見ることができれば無駄な部分のデジタル化はしなくて済む。袋井市で聞いたBPRと重なる部分があると感じた。
  • 自分でプログラミングができるとしても、全体最適化ができる人材でなければ意味がないという話があった。人が大事である。
  • 市民や職員の末端まで、目指す姿を共有(見える化)することが重要。
  • 業務内容の細分化、無駄の洗い出し、自己チェックがポイントである。
  • 企業のDXは、生産性や利益等が大きなポイントになると思う。企業は目的が明確なのでDXを進めるにあたり、機能しないことや価値のないことをやめることができるが、行政は利益で切ることが難しい。行政は行政なりのDXが必要と考える。
  • 行政は人の課題解決を行っている。人の問題を解決するときに、DXの取組で事務的なことはできるが、対面については丁寧に向き合うことが必要である。何が大事なのか、相手が何を大切に思っているのか。伺った「鳥の目、魚の目」 など、様々な視点は学びになった。見える化すること、見える化できる人材が必要と感じた。
  • 改善を進めてきたらそれがDXになったと伺った。あえてDXを前面に出すのではなく、改善活動を進めていくことで、デジタル戦略室とそれをうまく絡めていけばよいのではないか。
  • 現場のどこにDXが働いていて改善されているのか、説明なしではわからなかったが、それは現在が過渡期だからと感じた。市役所に当てはめれば、市役所に入った瞬間にDXとわかるぐらいの変化が必要だと思う。

 貴重な御時間をいただいた協和工業の皆様には深く感謝を申し上げる。引き続き、他の事例を参考にしつつ、調査研究活動を進めていく。

このページに関するお問い合わせ

議会事務局 議事課
電話:0562-45-6251
ファクス:0562-47-5030
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