6.羽根山古窯群
遺跡の種類 | 窯業 |
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時代 | 中世 |
所在地 | 大府市横根町羽根山地内 |
調査理由 | 区画整理 |
調査期間 | 平成10年11月16日から平成11年4月30日 |
調査面積 | 1200平方メートル(5基) |
調査主体 | 大府市教育委員会 |
資料保管 | 大府市歴史民俗資料館 |
報告書等 | 「羽根山古窯跡群」(平成22年3月31日発行) |
本遺跡は、大府駅から北東に約1.4キロメートル、標高30メートル前後の丘陵地の斜面上に位置する。周辺を雑木林と藪に囲まれ、南西に傾斜している。
遺跡は雑木林の下に存在していたため、遺構の残存状況は良好であったが、灰原(焼成不良品や焼成に使用した道具・薪材の炭を破棄した場所)の一部は耕作により削平されていた。
窯体(窯本体のことで、焚口・燃焼室・焼成室・煙道部で構成)が5基、溝が1条、そしてピットと灰原が検出できた。窯体は5基並んで確認されたが、いずれの窯も煙道部の一部が欠損していた。窯の全長は最大のもので約10メートルを測り、傾斜のゆるやかな窯とそうでない窯があった。4号窯には高さ約20センチメートルの間仕切り障壁(製品に直接炎があたらないよう、燃焼室と焼成室との間に設置した壁)が完全に残るとともに、不良品が窯内に大量に破棄されていた。灰原は広大で、その境が明瞭でなく、最も厚い部分で約1.5メートルを測り、大量の製品と灰と炭が混ざっていた。また、3号窯と4号窯の窯体の床下からは碗を裏返して敷きつめた床面下施設が確認された。
出土遺物は、遺跡の残存状況が良好だったこともあり、かなりの量に上った。大半は碗・皿であるが、壺(小型)・鉢・陶丸・器種不明な陶器が数点発見されている。壺以下のものは出土場所から3号窯か4号窯で焼成されたものと思われる。なお、2号窯焼成室(製品を焼くために置いた場所)内からほぼ完全な伊勢型鍋が1点出土している。
時期は総合的にみて、3から5号窯は12世紀末期から13世紀初頭で、1から2号窯は13世紀中頃から末期のものと思われる。操業時期に若干の差があるが、一連の窯群と思われる。なお、この窯群と無関係な古墳時代の須恵器片が50点以上出土しているが、関連する遺構は検出されず、他からの流れ込みか隣接地に別の遺跡が存在する可能性がある。
遺跡番号:44057
※遺跡番号は、県内の市町村で遺跡を管理するために付けられた固有の番号です。
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