20.深廻間A古窯群

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ページ番号1007311  更新日 2018年10月25日

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遺跡の概要
遺跡の種類 窯業
時代 中世
所在地 大府市柊山町地内
調査理由 区画整理
調査期間 平成9年10月20日から平成11年1月24日
調査面積 800平方メートル(2基)
調査主体 大府市教育委員会
資料保管 大府市歴史民俗資料館
報告書等 「深廻間A古窯跡群」(平成17年3月1日発行)

写真:深廻間A古窯群

 本遺跡は、大府駅から北西約1.5キロメートル、標高13メートル前後の丘陵地の斜面上に位置する。周辺を雑木林に囲まれ北東側に水田が広がり、丘陵地の続く南側・西側には多くの古窯が発見されている。
 区画整理事業開始まで少し時間的に余裕があったことにより、全面的に調査できた。遺跡は雑木林の下に存在していたため、遺構の残存状況はきわめて良好であったが、灰原(焼成不良品や焼成に使用した道具・薪材の炭を破棄した場所)の一部は土取りのためか削平され、廃棄物が埋められていた。
 窯体(窯本体のことで、焚口・燃焼室・焼成室・煙道部で構成)が2基、溝が2条、そしてピット(柱状に掘りくぼめられた穴)と灰原が検出できた。窯体は2基並んで確認され、南から順に1号窯・2号窯とした。いずれの窯も煙道部から焚口までが残っていたが、天井部はほとんど崩れていた。窯の全長は約10メートルを測り、焚口から傾斜に沿って灰原へ向かって溝が1条伸びていた。この溝は焚口の床下を通っていた。
 また、窯の焼成室(製品を焼くために置いた場所)の床下に碗を主に敷きつめた床面下施設が確認された。1号窯のそれは地山を窯に対して並行に櫛状に浅く掘りこみ、その上に碗を並べ、碗の列と列の間に炭化した木材が置かれていた。さらにそれを覆うように重ね焼きの碗などが散らばっていた。
 一方、2号窯は、碗を一様に敷きつめたものであった。床面下施設から溝のほうにも碗等が置かれていた。窯にはそれぞれひとつのピットが付属していたので陶器の堆積は予想より薄かった。出土遺物は、遺跡の残存状況はおおむね良好だったこともありかなりの量にのぼった。碗・皿であるが、数点の片口鉢(小型)も出土した。いずれも12世紀後半頃と思われる。

遺跡番号:44046

※遺跡番号は、県内の市町村で遺跡を管理するために付けられた固有の番号です。 


 

このページに関するお問い合わせ

歴史民俗資料館
電話:0562-48-1809
ファクス:0562-44-0033
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