15.ハンヤ古窯

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ページ番号1007305  更新日 2018年10月25日

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遺跡の概要
 遺跡の種類  窯業
 時代  中世
 所在地   大府市吉田町四丁目地内
 調査理由  学術調査
 調査期間  昭和52年8月19日から8月21日
 調査主体  大府市教育委員会
 資料保管  大府市歴史民俗資料館
 報告書等  「ハンヤ古窯発掘調査報告」(昭和54年11月30日発行)

ハンヤ古窯出土遺物

 本遺跡は、市内中心部より東西に二分された西部丘陵に位置している。場所は国道155号から南へ1キロメートルほど行ったところで、付近に吉田小学校や吉田公民館があるが、周辺は畑がほとんどを占める丘陵の高台である。窯跡は農地整備されて、かつての地形が失われてしまったが、報告書によると窯体(窯本体のことで、焚口・燃焼室・焼成室・煙道部で構成)は北側に傾斜した斜面に築かれていた。
 遺跡の発見は、地元住民が採集した遺物を市教育委員会に持参(このなかに壺の破片が十数点含まれていた)したことが契機となった。
 現地踏査の結果、畑境の断面に灰層が露出した場所があり、遺跡存在の可能性が強まったため、昭和52年1月に試掘調査で位置を確認し、同年8月に発掘調査となった。窯体中心に調査が進められ、灰原(焼成不良品や焼成に使用した道具・薪材の炭を破棄した場所)は未調査である。
 窯体の残存状況は良好で、他の窯との形態上の相違は特に認められない。燃焼室(薪材を焚く場所)・焼成室(製品を焼くために置いた場所)には大量の製品が放置された状態で、多くの出土品が確認された。
 調査担当者は「この窯における最後の焼成の後、窯を放棄するという条件のもとに、ずさんな窯内清掃と製品搬出がなされたものであろうか。あるいは製品搬出の際に何らかの事故をすら想定させるほどの出土状態」と報告書に記している。
 出土品は碗・皿で、すべて窯内から採集した完形のみである。出土品の特徴から13世紀初頭のものと想定される。なお、近年の市内における窯業遺跡の調査からこの時期の窯跡が単独(1基)のみ築窯された事例はなく、極近くに別の窯が存在するか、存在した可能性が大である。現在もこの場所周辺では土器の破片が散見している。

遺跡番号:44019

※遺跡番号は、県内の市町村で遺跡を管理するために付けられた固有の番号です。

このページに関するお問い合わせ

歴史民俗資料館
電話:0562-48-1809
ファクス:0562-44-0033
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