17.野々宮古窯
遺跡の種類 | 窯業 |
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時代 | 古代 |
所在地 | 大府市宮内町四丁目地内 |
調査理由 | 農地造成 |
調査期間 | 昭和47年7月26日から7月27日 |
調査面積 | 約20平方メートル |
調査主体 | 大府市教育委員会 |
資料保管 | 大府市歴史民俗資料館 |
報告書等 | 「野々宮古窯発掘調査報告」(昭和50年9月1日発行) |
本遺跡は、市内西部に位置し、国道155号から北へ300メートルほど行ったところにある。周辺には雑木林が取り囲み、遺跡から西へ約50メートルところには熊野神社がある。また遺跡の南には石ケ瀬川が流れている。遺跡は丘陵地が東側へ傾斜した標高は26メートル付近に位置している。
遺跡は昭和47年1月に地元住民の連絡に基づき、市教育委員会の踏査により確認された。現地は農地造成中で自然地形が破壊された後で、地表面に遺物が散在した状態であったが、焼土層が2カ所ほど残存していた。そこを中心に同年7月に発掘調査を実施した。
焼台は発見されるが窯本体の確認はできず、灰原(焼成不良品や焼成に使用した道具・薪材の炭を破棄した場所)と思われる場所を確認したに止まった。また遺物の量も少量であった。
しかし遺物は良質の粘土を使用し、器壁が薄く、造りが丁寧であり、かつ釉の施された陶器がほとんどであった。器種は椀・平皿・段皿・壺・窯道具などがある。
これらは灰釉陶器と呼ばれる陶器で、猿投山西南麓を中心に平安時代から生産されたものである。市内で灰釉陶器を生産した窯が発見されたのはここが初めてである。大府市を含め知多半島北部が、灰釉陶器生産の猿投窯の外縁に含まれることが確認できた点で、大変貴重な遺跡である。
現在でも農地造成したままであり、遺物も散見している。大府市における窯業の起源に関する重要な遺跡である。窯体(窯本体のことで、焚口・燃焼室・焼成室・煙道部で構成)が未発見であるので、今後追加調査できる機会が訪れることを期待する。
遺跡番号:44012
※遺跡番号は、県内の市町村で遺跡を管理するために付けられた固有の番号です。
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