26.円通寺古墓
遺跡の種類 | 墓 |
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時代 | 近世 |
所在地 | 大府市共和町神戸地内 |
調査理由 | 道路建設 |
調査期間 | 平成7年4月18日から8月1日 |
調査面積 | 1500平方メートル |
調査主体 | 財団法人愛知県埋蔵文化財センター |
資料保管 | 愛知県埋蔵文化財調査センター |
報告書等 | 「円通寺古墓 鳴海有松335号窯1・2」(平成10年8月31日発行) |
本遺跡は、共和町神戸地内に所在する。遺跡周辺は丘陵地のため起伏に富んでおり、調査区は、丘陵が舌状にのびる末端に位置している。
調査は第二東海自動車道・伊勢湾岸道路建設工事の事前調査として、平成7年4から7月まで行った。調査区の位置する場所は、南北にのびる県道をはさんで東側丘陵上に位置する円通寺の「もとはか」と伝えられ、近世の村絵図において該当する位置には、「三昧(さんまいと読み墓地のこと)」の名が記載されている。したがって、調査区には近世墓が遺存している可能性が考えられたため、発掘調査を行なうこととなった。発掘調査面積は、1500平方メートルである。
調査区の基本層序は、表土の下に部分的に黒色土が客土として確認でき、さらに灰黄褐色極細粒砂が堆積し、基板層は赤褐色シルトである。検出された遺構は、土坑状の掘り込みが圧倒的に多く100基以上を数え、これに最近まで機能していたと思われる溝が3条加わる。これらの土坑の約4分の1は人骨また骨片が出土しており、残存状況の差はあるものの多くの土坑が墓を目的として掘り込まれたものである。
出土遺物は、煙管や寛永通宝、近世陶磁器、土器などである。これらの出土遺物の時期は、ほとんどのものが19世紀以降のものと思われ、近世前・中期のものは少ない。したがって、調査地点が墓地として利用されたのは近世後期からの可能性が強い。
本遺跡の調査は、城郭・都市遺跡以外では調査事例の少ない近世遺跡調査として、当該期の未解明な部分を検討するうえで一助となるであろう。
遺跡番号:44060
※遺跡番号は、県内の市町村で遺跡を管理するために付けられた固有の番号です。
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