37.石丸遺跡

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ページ番号1025859  更新日 2023年3月22日

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遺跡の概要
 遺跡の種類  集落跡
 時代  旧石器・縄文から江戸
 所在地  大府市北崎町城畑地内
 調査理由  宅地造成
 調査期間  令和3年4月12日から8月6日
 調査面積  約2,200平方メートル
 調査主体  株式会社アコード 名古屋営業所
 資料保管  大府市歴史民俗資料館
 報告書等

「石丸遺跡1 -宅地造成に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書-」

(令和4年7月15日発行)

本遺跡は、尾張・三河の国境とされた境川右岸の台地縁辺部、旧衣ヶ浦湾を望む標高約10~13メートルに立地する集落遺跡である。令和3年度の調査では、遺跡東縁の約2,200平方メートルの範囲で調査を行い、主に鎌倉時代から室町・戦国時代にかけての遺構・遺物を検出した。
知多半島では数少ない中世集落遺跡のひとつとして、貴重な事例である。

【鎌倉時代】
遺構の検出は少ない。
出土遺物として、多量の山茶碗類の他、猿投窯産刻画文壺、常滑窯産陶器、中国産青磁・白磁、中世瓦などが出土した。
窯業生産や流通にかかわる集落の可能性がある。
中世瓦は付近に仏堂などが存在する可能性を示唆しており、注目できる。

【室町・戦国時代】
遺構には、掘立柱建物、堀立柱柵列、区画溝・堀、井戸、竪穴状土坑、柱穴・ピットがあり、倉庫状の大型掘立柱建物などが多く見られる点が特徴的である。
遺構はいびつな溝で区画された3区画の屋敷地内で検出した。
屋敷地間には道路状遺構が南北方向にみられる。
また、戦国期には一部に防御性の高い堀が掘削され改修されている。
特筆すべき遺物として、古瀬戸の水柱・瓶子・天目茶碗・燭台、瓦質土器の風炉・火鉢、硯、墨書土器、鉄滓などがある。
墨書土器は花押が書かれており、集落内の有力者の存在を伺わせる遺物として注目できる。

遺跡番号:440010
※遺跡番号は、県内の市町村で遺跡を管理するためにつけられた固有の番号です。

石丸遺跡調査区東半分全景(南から撮影)
石丸遺跡調査区東半分全景

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歴史民俗資料館
電話:0562-48-1809
ファクス:0562-44-0033
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