第2話 お祭りに行こう!

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ページ番号1015703  更新日 2020年10月28日

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横根藤井神社祭礼「三番叟」

朝、急にあずまが家に押しかけてきた。まだ歯も磨いてないのに…
「ねえ、まー君、お祭り行かない?学校の帰り道に藤井神社ってあるでしょ?」
「急すぎるわ!いま着替えるからちょっと待てってば!」
まったく、こっちに来てからあずまに振り回されっぱなしだ…まあ、ちょっとは楽しいけどさ。

「このお祭りが、まー君と行ったって話してたお祭りなの!どう?覚えてる?」
「ああ、言われてみればどっか見覚えが…」
藤井神社の境内には大きな三台の山車が並び、その前に舞台が作られている。舞台上では、はかま姿の子どもが笛や太鼓の音色に合わせ優雅に踊っている。この音・景色ではっきり思い出した。俺も小三の時、あの子みたいに舞台で踊ったんだ。
朝早くからはかまを着せられてきゅうくつだったけど、母さんは喜んでたなぁ、かっこいいよって。
山車は木組みだから左右に大きく揺れるのが怖くて、一緒に乗ってくれたおじさんにしがみついていたんだっけ。この三番叟による祭りは二百五十年も続いているって、あずまが言っていたけれど、その中に俺がいたって、すごくない!?

「昔、ここにあった藤の木の根元から水が湧いていて、旅の途中の人たちが立ち寄ってのどを潤したことから、この神社の名前が付けられたっていう話があるんだよ。今は藤の木も湧き水もないみたいだけどね…」
「へぇ、よく知ってるな、おまえ」
「おばあちゃんから聞いたの。神社の始まりは千三百年前なんだって。それにあの源頼朝が、亡くなったお父さんを供養するために出向いた野間大坊から鎌倉に帰る途中、ここに立ち寄ったんだって。そのとき古くなった社殿を見て再建したって話もあるんだよ」
あずまの口から、それこそ湧き水のように情報が流れてくる。
「あっ、まーくん!餅投げ始まるよ!」
みんな子どもみたいに夢中になってる。祭りのこういう雰囲気も、なかなか良いもんだな。(12月1日号に続く)

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