第1話 ようこそ、大府へ

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ページ番号1015702  更新日 2020年10月28日

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大に手を振るあずま

「お前、大府って覚えてるか?」
永友がゴール目指して独走だ。今、話しかけるのはありえないだろう親父!
「なんだよ大府って?」
「小学生の頃行ったじゃないか。おじいさんちがある所だよ。愛知県の知多半島」
それが何だよ〜?俺は今それどころじゃないんだ。
「じいさんも、もう年でな。ひとりじゃ心配だからそろそろ一緒に暮らそうかって話になって…」
「いきなりなんだよそれ?学校はどうなるんだよ!」
ああっ、ボールとられた!!

引っ越し会社のトラックの後ろについて高速道路を走る。結局、引っ越しは決まってしまった…。親父の顔なんか見たくない。助手席で、親父に顔をそむけ、窓の外を眺める。せっかくサッカーの強豪校に入学したのに…レギュラー目前だったのに…
東名高速から国道 23号?ってのに降りたら、あたりは畑ばっかり。
歓迎のつもりなのか、家の前に大勢の人が待っている。どうせ母さんが挨拶しろとか言うんだろうな…ああ、面倒くさい。
「お義父さん!中で待っていてくださればいいのに。美知子お義姉さんまで。忙しい時期なのにすみません…」
母さんがワンオクターブ高い、わざとらしい声で駆け出した。親父に母さん、じいさんに美知子伯母さんが十年振りの再会を喜んでいる。何だよ大人って。母さん、ゆうべ 『もう元町のおしゃれなカフェでお茶出来ないわねぇ』って嘆いていたじゃないか!
「まー君、久しぶり!覚えてないかなあ?私、あずま。ほら、小学生の頃、一緒にお祭りに行ったじゃない?」
誰だっけ?結構カワイイな……この子。
「十年以上前の話だし、覚えてないよね…そうだ、まー君、私の高校に編入するんだって!?」
「大あんた、夏休みの残り1週間どうせ暇なんでしょ。美知子伯母さんのぶどう園、手伝ってらっしゃい。 」
はぁ?訳わかんないよ。本当に、大人って勝手だよ! ( 11月1日号へ続く)

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