第5話 あこがれの消防士

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ページ番号1015706  更新日 2024年1月26日

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大府市消防出初式

年が明けてまだ5日。お正月気分が抜けない俺や桃花と違ってここには張り詰めた空気があるな。空も灰色の冬の色で、寒さがしみるけど、整列して市長の観閲を受ける消防署員、消防団員の表情はキリリとしていて頼もしい。
「私、ではつしきなんて初めて!感動!」
「ではつ?ああ、それ 『出初』 って書いて 『でぞめ』って読むんだよ」
「あーやっぱりそうだよね。なんか変だよなぁ、って思ってたんだよね」
「そもそも出初式ってのは、明暦の大火をきっかけに老中稲葉 伊予守正則が、上野東照宮前で…」
「大先輩もあずま先輩みたいにうんちくですかぁ?」
「う、うるさいな…江戸の町火消ってなんかかっこいいじゃん!当時は町のヒーローだったんだぞ。だから現代にも受け継がれているんだ。大府市では昭和45年以来、毎年出初式が行年以来、毎年出初式が行い頃に出初式見てから消防士に憧れてるんだ」
「へえ〜、かっこいいじゃないですかぁ」
「なんかてきとーだなぁ…」
「私も看護師になるために一生懸命勉強してるんです!人のために頑張るってかっこいいじゃないですか。ねっ!」
ふ〜ん、桃花もいいこと言うじゃん!
どこからかヘリコプターのプロペラ音が…愛知県の消防ヘリが空の上から参加だ。搭乗員が身を乗り出してこっちに両手を振ってる!ヘリから上半身出ちゃってんじゃん。ああいうのも訓練のうちなのかな…高所恐怖症とかの問題じゃないな。高層ビルならヘリコプターからの消火もあるのかな。
「先輩、先輩、いよいよメインイベントの一斉放水ですよ!放水される池の方から見ましょうよ。早く!早く!」

消防車両が一斉に動き始めた。赤色灯を点滅させ、池に向かって一斉に放水を始める。一台のはしご車からも高く高く放水される。見物してる人たちから歓声が上がった。かっこいいな。天気が良かったらこの放水に虹がかかって綺麗なのになぁ…。こどもの頃一度、見たことあるんだ。
あっ、正月気分で池にゆったり浮かんでたアヒルの親子が突然の放水に慌ててる。大丈夫かな。
「先輩!グラウンドでお汁粉の炊き出しが始まりましたよ。食べに行きませんか?」
そう言うと桃花は走り出した。感動よりも食い気かよ。でも大鍋から立ち上る湯気には俺も我慢できないな!
「あったけぇ〜!体が冷え切ってたからありがたいな〜」
「初詣、出初式、お汁粉。お正月っていいですよね。でも来週から新学期。先輩、冬休みの宿題終わってるんですか?」
「お、終わってるさ!当然だろ!」
「……早く終わらせて下さいね、先輩」(3月1日号へ続く)

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