第6話 桃の節句

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ページ番号1015707  更新日 2020年10月28日

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ひなまつりスタンプラリー

「せんぱ〜い、こっちですぅ!急に呼び出してすいません!あずま先輩は大学受験で東京に行ってるので…」
待ち合わせの大府市歴史民俗資料館の駐車場でのんきに手を振る桃花発見。日曜日の朝っぱらから呼び出しかよ…
「ももか、俺だって来週から期末試験なんだよな。で、ここに何があるの?」
「3月11日まで県内の博物館や資料館で 『ひなまつりスタンプラリー』 をやってるんですよぉ。おひなさまってかわいくないですかぁ?先週はエニーと一緒に徳川美術館と刈谷市郷土資料館にも行ったんです。今日もこの後知多市歴史民俗博物館と…」
こいつ、いきなり何言ってるの?おひなさま?エニー?エニーって誰だよ?
「マサルデスカ?ハジメマシテ」声のする方に振り返るともう一人のんきに手を振る外国人…!
「先輩はエニーと会うのは初めてですよね。エニーは私の高校の留学生なんです。スイスの子です」
スイスって英語?スイス語?Nice to meet you …マジ焦るんですけど…
「せんぱ〜い、大丈夫ですって。エニーは日本のアニメ大好きで、スイスにいるときからネットでアニメ見てたらしいんで日本語話せますって。寒いし、早く中に入りましょう」

「ワァ〜オ、オモシロイデスネ。フルイニホンデスカ?」
資料館の中は昭和の暮らしを展示してあるんだ。映画のセットみたいなレトロな風景。
「先輩あっちに、ひな人形が展示されてますよ!」
展示室の隅に置いてあるピンク色のパンフレットを1部取ってみる。桃の節句を連想させる色。記録的な豪雪のニュースが連日伝えられているけど暦の上ではもう春なんだよな。
ひなまつりの起源は古く、平安時代に伝わった中国の上巳の節句らしい。川辺で無病息災を願い紙人形に自分の災厄を託して川に流す、ちょっと残酷な風習。
「 『オヒナサマ』 ナンデスカ?」
「そうそう、どーして『おひなさま』 って言うのかな?」
「ええと…このパンフレットによると… 『ひいな』 って言葉は小さくてかわいいって意味らしいぞ。平安時代に宮中で女の子がするままごと遊びみたいなのを『ひいな遊び』 って言ったって」「オー、ソレデハ、オヒナサマハニホンノ 『バービーニンギョウ』デスネ!」
「あっ、それいいね、そんな感じかも」
「おいおい、無責任なこと言うなよ、ちょっとちがくね?」
「いいから、いいから。先輩、ちょっと、そこどいてもらえますぅ?」
はぁ〜、こんなとこでも自撮りかよ。インスタ映えとか狙ってるわけ?
「エニーのスイスのお母さんに送る写真ですから。SNSはグローバルなんですよぉ!マジひいな!」
「ところで、先輩、 『おこしもの』 って食べたことありますか?この地域のこの時期だけのスイーツです。ママが作ってくれてるので私の家で食べましょ!」(4月1日号へ続く)

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